●肉の料理方法には、大別して「焼く」「ゆでる」「煮込む」「揚げる」「蒸す」の5つの方法があります。網焼きやフライパン焼きなど肉は高温に熱せられた鉄板や空気に触れることによって表面温度が200℃を超え、油で揚げる場合には表面温度は180℃程度になります。また「ゆでる」「蒸す」料理については表面温度は100℃程度、「煮込む」料理についても、表面温度は75〜100℃程度になります。
●このように、「焼く」「揚げる」料理は表面が高熱にさらされること、「ゆでる」「蒸す」「煮込む」料理についてはじっくりと熱を加えることになるため、肉の表面は十分に火が通った状態になっており、安心して食べることができます。
●ハンバーグなど挽肉を使った料理の場合は、内部まで十分に火が通るようよく加熱して下さい。
サルモネラ菌 サルモネラ食中毒は欧米では最も発生件数の多い食中毒で、O−157と並んで2大食中毒になっています。食中毒対策の多くは、この2つに対して行われています。そして、日本でも数年前から急に増えてきています。動物の消化管にひそみ、肉・卵・ミルクなどが主な原因になります。また、二次的にすべての人間の国に入る食品や調理器具からも汚染されます。また、よく卵の殻に付いているので、生卵を食べるときに記を付けるように、といわれています。これは事実なのですが、日本人は生卵を食べてもサルモネラ中毒にあまりかからないので、欧米では不思議がっています。しかし、最近のサルモネラは環境に合わせて変異してきており、卵の黄身の中にいる物まで発見されいます。また、動物にストレスを与えるとサルモネラが増えるという研究結果も出ています。予防には、肉・卵の除腺や、すべての食品に対する二次汚染の防止、食器・調理器具などの消毒が必要です。サルモネラは加熱で簡単に死滅しますので、調理して食べれば問題有りません。 黄色ブドウ球菌 黄色ブドウ球菌は、顕微鏡で見ると果物のブドウのように見えるところからこの名前がつきました。このばい菌は、おでき・にきび・傷などの化膿したところにいます。かなり前ですが、ジャンボジェット機の乗客の半数近くが急性食中毒にかかった大事件がありました。死亡者は出なかったのですが、この原因が黄色ブドウ球菌でした。機内食のサンドイッチに入れるハムの作業をする人の中に、ペットのオウムに手を噛まれて傷をしている人がいたのです。この人はバンドエイドをしただけで、ゴムサックをしないでハムを触っていたために、たくさんのハムを汚染してしまったのです。この従業員の傷をマネージャーは知っていたのですが、黄色ブドウ球菌のっことを知らなかったので注意をしていなかったのです。作業をする人が怪我をしていたり、にきびが多い人がいたりしたら要注意です。指の怪我なら作業をしないことです。どうしてもしなければならない場合は、傷口をよく消毒をしたうえに、しっかりとゴムサックをして、さらに十分に手と腕全体をよく洗い、さらに消毒をしてから作業室に入って下さい。膿を伴ったニキビの人は、作業室に入れないことです。症状は、30分から3時間ぐらいで、嘔吐・腹痛がおきます。症状は一過性で回復は早く、重症になることはあまりありません。 |