平成15年度県産牛肉流通研修会開催



目   的


 県産牛肉取扱指定店設置に伴うモニター員(地域婦人会員)等に対し、県産牛肉の安全性や優れた面についてさらに知識を深めてもらうために、県内の県産牛肉に関係する機関を巡回し、県産牛肉の生産から販売までの流通について研修を行う。

  1. 日時
     平成16年2月27日(金)
     午前9時00分〜午後5時(乗降地点により変更有り)
  2. 場所
     菊池郡七城町
     阿蘇西原村
  3. 研修内容
    1. 県産牛肉の種類と名称について
    2. 県産のトレーサビレティに伴う牛肉の流通について
    3. 県産牛肉の使用管理等について
    4. その他
  4. 研修先
    1. (株)熊本畜産流通センター(七城町)
    2. 県食肉衛生検査所(七城町)
    3. 阿蘇ミルク牧場(西原村)
    4. 西原公共育成牧場(西原村)
  5. 研修方法
     貸し切りバスによる現地見学及び講話
  6. 参集者
     県産牛肉取扱指定店モニター員(県地域婦人会員)等他 (県地域婦人会員) 42人程度
     県産牛消費拡大推進協議会関係者
  7. 研修日程
    午前9時熊本駅(ホテルニューオータニ近く)発
    午前9時20分市民会館前
    午前9時30分県婦人会館前(水道町メルパルク前)
    午前10時15分七城町熊本畜産流通センター到着
    ●枝肉見学
    畜産流通センター 牛嶋加工販売部長
    ●BSE検査体制等講話
    県食肉衛生検査所
    午前11時30分七城町熊本流通センター発
    午前12時30分西原村 阿蘇ミルク牧場着
    ●牛肉トレーサビリティによる県産牛肉販売について説明
    県酪連 大村主査
    ●阿蘇ミルク牧場の体験交流について
    阿蘇ミルク牧場 藤本部長
    ●県産牛肉による昼食
    午後1時50阿蘇ミルク牧場発
    午後2時西原公共育成牧場着
    ●牛の飼養管理状況の見学
    ●県産牛及び牛肉の名称及び飼料等について
    県西原公共育成牧場 原工場長
    午後3時西原公共育成牧場出発
    午後4時20分熊本駅着
    午後4時30分交通センター着
    午後4時40分県婦人会館着
    午後5時県庁着
◆ 資 料 ◆


牛海綿状脳症
BSE:Bovine Spongiform Encephalopathy

西原公共育成牧場   原 慈宏


国産牛肉の供給源

 

国内産の牛肉はどの様に供給されているのか。


牛海綿状脳症(狂牛病)とは
・1986年11月英国で初めて確認(原因特定できず)
・原因 スクレイピーという病気にかかった羊の内臓を含んだ飼料を牛に与えた
・発生拡大の要因
 感染牛焼却処分決定は1988年8月
 感染牛の肉骨粉を飼料に利用
 1988年肉骨粉を牛、羊給与禁止
 豚、鶏には許可、輸出継続
・症状 2年以上の潜伏期間の後、脳がスポンジ様
 行動異常を起こして死亡
・病原体 異常プリオン蛋白
・人への感染 1996年英国で発表(vCJD)

プリオン蛋白質の分子構造の変化




正常プリオン異常プリオン
プリオンの電子顕微鏡写真



牛海綿状脳症(BSE)感染牛の脳の病理組織写真
多数の空胞がみられスポンジ様に。海綿 状脳症の名前の由来


哺乳動物のプリオン病
病名動物種発生地域初発記録
スクレイピー羊、山羊豪州、NZ以外世界各国1730年頃
クールー人(フォア族)パプアニューギニア1900年頃
ヤコブ病(CJD)世界各国1920年
ゲルストマンー・シュトロイスラー・シャーインカー病(GSS)世界各国1926年
伝達性ミンク脳症ミンク北米、欧州1947年
シカ慢性消耗性疾患シカ、オオシカ北米1967年
ネコ海綿状脳症ネコ英国1990年

BSE以外に種々のプリオン病がある。



ブリオン病の種類により脳の病変の部位が違っている。


牛の部位による感染危険度
高度感染性脳、脊髄、眼球
中度感染性(1/400)回腸、リンパ節、近位部大腸、脾臓、扁桃、硬膜、松果体、胎盤、脳脊髄液、下垂体、副腎
低度感染性(1/10万)遠位部大腸、鼻粘膜、末梢神経、骨髄、肝臓、肺、膵臓、胸腺
無感染性(1/1億)血液、糞便、心臓、腎臓、乳腺、乳汁、卵巣、唾液、唾液腺、精嚢、血清、骨格筋、精巣、甲状腺、子宮、胎児組織、胆汁、骨、軟骨、結合組織、毛、皮膚、尿

異常プリオンの蓄積が確認されている脳、脊髄、眼球、回腸遠位部はと畜場で廃棄、焼却されており、流通はしない。
 牛乳、主な食用部分の骨格筋にはプリオ ンの蓄積はない。







検査をクリアーしたものだけが食肉として流通している。
 2重、3重の検査体制



検査方法はEU委員会が評価した国際的な方法で現在最良の方法を採用している。










平成15年度県産牛肉流通研修会(参加者の感想)

○昨年末のモニターの際は一軒一軒に行くのがとても大変だったので時期を考えて欲しい。
○牛も色々見せて頂いたが、黒牛に元気がない牛がいて気になった。
 モニターの肉屋の住所がわからず探すのが大変であった。正しい住所が欲しい。
○肉は食べられないが、肉について詳しくなれて良かった。
○BSE問題についても勉強になった。これからは安心して食べられるので校区の人にも伝えたい。
○テレビ報道でBSEは怖いと思っていたが、年間3万〜4万人出る食中毒の方が怖いと思った。バイキングがとても美味しかった。
○近所で牛を飼っているのを見て大変だと思っていた。今日は広いところで飼われている牛を見られて良かった。
○今日の研修会でBSEの安全性を確信できた。スペアリブが好きだが、これからも骨まで大切に食べたい。
○味彩牛がとても美味しかった。
○主婦連でも勉強していたが、今日はより勉強できて良かった。
○飼育から食卓までがわかって良かった。
○牛肉について、不安から安心へ変わった。
○日頃マーケットのトレーの中の肉しか見たことがなかったので、熊本畜産流通センターで大きな肉を見てびっくりした。
○一日の消費量が140頭と聞いてびっくりした。
○数十年前に飼っていたので、今日はとても懐かしかった。
○これからは買い物に行っても、肉に対する見方が変わった。
○あか牛・黒毛・味彩牛等、モニターの時から興味を持っていたが、より分かる事が出来て良かった。
○モニターの時より興味が出た。早く三種が熊本のブランドになってほしい。
○最近特に肉から離れていたが、今日の勉強によってよく分かって良かった。
○冷蔵庫の中で仕事をしている人は何時間ぐらい働いているのか気になった。大変そうであった。
○今日は人間に生まれて良かったと思った。普段は見れない所が見られた。そして色々な分野が見られて良かった。
○見る物・聞く物・食べる物に、感謝・感激・感動であった。支部長会議で直ぐに話せるのも嬉しい。
○地産地消という言葉が耳に残った。これからはなるべく熊本の物を消費したい。
○肉はあまり食べないが、今日は生産から流通、食卓までが分かって良かった。もっとPRして欲しい。今までは表示の黒毛・和牛も分からなかったのが、これからは分かるようになった。
○県産の肉を店頭であまり見かけない。もっと畜産農家を増やして頑張って欲しい。
○普段、肉はあまり食べない方だが、昼食が美味しかったのでこれからは地域にPRしたい。レシピも欲しい。
○昼食が美味しかったので、今日は早速お土産に購入した。今晩のおかずにする。
○モニターではないが、生協で今まで気にしなかったラベルの表示を、これからは注意してみていきたい。
○今日は初めて勉強した事ばかりで、婦人会便りに載せたい。
○流通センターで吊してある肉を見て、本当に言葉にならないくらいびっくりした。


参加者:県産牛肉取扱指定店モニター員(県地域婦人会員)等他33人 県産牛消費拡大推進協議会関係者

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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