ブロイラーの生産・加工・販売一貫経営確立

農業生産法人(有)大矢野原農場
上益城郡矢部町


(清潔で明るい大矢野原農場の鶏舎)

1.背 景

経営者日永氏は、昭和56年に県内の金融会社を退職し、長年の夢であった地鳥の飼養を行うために、矢部町大矢野原開拓地に入植、自己資金で遂次増羽を行った。
昭和61年にブロイラー生産に全面的に切り替え、当初から安定した出荷先の確保が重要と考え福岡県の生協との取引に重点を起き、生協の要望に応えた、安全で味の良い鶏肉生産に努力して経営の安定を図った。
平成元年2月に法人化のメリットを追求して、有限会社 大矢野原農場を設立、取引先の要望に応えて従来の生鳥取引から、部位毎に処理加工・パック詰めした製品の納入をすると共に、鶏肉加工品の納入等、生産から販売までの一貫経営体制を確立した。

2.経営概要

法人の構成は、1戸・1法人で、日永輝男・ヤス子夫妻で経営、社長には、加工場・直売店を担当されるヤス子氏、取締役部長は、生産・総務・営業担当の輝男氏で経営。
・雇用人員 常雇20名、臨時雇用8名を地元から雇用
・ブロイラー 常時43,000羽飼養
・加工素材用の野菜栽培70a

3.事業の概要

・高品質鶏肉生産 年間出荷160,000羽生産
良好な飼養環境・無投薬・飼養期間延長・安全な餌給与
・鶏肉加工品生産 合成着色料・甘味料、酸化防止剤などを一切使用しない
有機農産物及び天然物を飼養、加工所の衛生管理の徹底
手作りによる調理を基本に家庭の味を大切にしている
・販売方法 部位毎に処理加工・パック詰め製品、鶏肉加工品を製造販売
(部分肉販売14種類、鶏肉加工品24種類)
・販売先 グリーンコープ連合 80%(九州一円・山口・広島)
商社系 12%(植木町)
アンテナショップ 8%(南関町)

4.成 果

鶏肉加工品の納入等生産、加工販売までの一貫経営体制の確立により、生鳥販売に比較して、総販売金額は約3倍に拡大、ブロイラー経営の安定向上が図られた。

5.今後の取り組み

・新しい加工品の開発研究を促進する。
・アンテナショップを拡大する。(年1店舗設置、5店舗設置目標)
・流通の拡大に努め、関西市場等を開拓したい。
・生協やアンテナショップの拡大を行い、商系販売を廃止して経営安定を図る。

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