この「用語解説」には、畜産環境保全を行なう際に使われる一般的な用語とその解説を取りまとめています。また、本マニュアル内の「II 畜産環境保全Q&A」で使用している用語については、各Qの中で最初に使用した用語を太文字で表記しています。
ア行
RO膜 (reverse osmosis membrane)
逆浸透膜。[膜処理]参照
 
悪臭物質 (offensive odor material, malodorous material)
 不快なにおいの原因となり、生活環境を損なう恐れのある物質で政令で定められたもの。現在、アンモニア、メチルメルカプタンなど22の物質が悪臭物質に指定されている。[指定悪臭物質]参照
 
亜硝酸性窒素 (nitrite nitrogen)
[亜硝酸態窒素]参照
 
亜硝酸態窒素 (nitrite nitrogen)
 亜硝酸態窒素とは、亜硝酸塩をその窒素量で表したものである。亜硝酸性窒素ともいう。硝酸化成作用の過程でアンモニアから硝酸に酸化される際の中間生成物として現れる。アンモニア酸化反応よりも亜硝酸酸化反応の方が反応速度が大きいため、堆肥化や汚水処理などの過程あるいは土壌中においては、通常、亜硝酸態窒素が蓄積することはない。しかし、pH等の影響で硝酸菌の活性が抑制されると亜硝酸が集積することがある。窒素肥料の施肥量が多いと土壌中に亜硝酸が多量に集積しやすく酸性条件下ではとくにガス化しやすくなる。野菜のハウス栽培では施肥量が多く密閉度が高いために、亜硝酸によるガス障害が起こりやすい。また、亜硝酸は動物に対して毒性が強い。亜硝酸は反すう家畜の消化管内で硝酸から生成され、血液中のヘモグロビンと結合し酸素の運搬を阻害する。飼料作物に対し家畜ふん尿等を多量施用すると作物体中の硝酸塩濃度が高まり、このような飼料を飼料を家畜に給与すると中毒を起こしやすい。
 水中の亜硝酸態窒素は、主としてたんぱく質などの分解によって生じたアンモニア性窒素が、さらに生物学的に酸化された結果生じたもので、汚水処理においては汚濁物質の浄化の程度を知るうえの手掛かりとなる。また、亜硝酸は、アンモニアが酸化して硝酸になる中間生成物であるため、自然水域においては、アンモニア性窒素と同様、比較的近い過去に、し尿(ふん尿を含む)による汚染のあった可能性を示す指標ともなっている。[硝酸化成作用]参照
 
圧力損失 (pressure loss, pressure drop)
 エアダクトあるいは配管などを空気や水などの流体が流れるとき、摩擦や渦流などのエネルギー損失によって観察される圧力の損失。入口と出口の圧力差などによって表される。
 
アミン類 (amine)
 アンモニアの水素原子を炭化水素残基Rで置換した化合物であって、置換された炭化水素残基の数によって第1アミン、第2アミン、第3アミンの3種がある。トリメチルアミン[(CH3)3N]は脂肪族第3アミンに属する。
 
アンモニア (ammonia)
 刺激性の強い無色の気体(NH3)。ふん尿中の窒素化合物が分解したときに発生するため悪臭防止法の規制物質のひとつになっている。
 
アンモニア化成 (ammonification)
 家畜ふん尿を放置あるいは処理する過程、またふん尿や堆肥を土壌施用した場合に、有機態窒素が微生物などにより分解されてアンモニアに変換される反応。細菌、糸状菌、原生動物などの従属栄養生物が産生する加水分解酵素により、有機物中の主としてアミノ基からアンモニアが生成される。[アンモニア態窒素]参照
 
アンモニア揮散 (volatilization of ammonia)
 貯留・放置された家畜ふん尿、スラリーの曝気処理、家畜ふんの堆肥化過程、あるいはふん尿や堆肥を土壌に施用した場合に、アンモニアガスが大気中に放出される現象。アンモニア揮散はふん尿の窒素含有率及びpHが高いほど起こりやすく、畜種別にみると揮散量は鶏ふんで最も多く、次いで豚ふん尿、牛ふん尿では少ない。アンモニアの放出によって窒素が失われることから養分損失とみられるが、最近では大気環境への影響について注目されている。ヨーロッパでは、家畜ふん尿からのアンモニア揮散が酸性雨の主な原因とみなされている。アンモニアを含む雨自体は酸性を示さないが、この雨が降下し土壌中で硝酸イオンに変化(→硝酸化成作用)することによって酸性雨が降ったと同様の影響を表すからである。従って、ヨーロッパではアンモニア揮散を防止するために、ふん尿の貯留槽を密閉したり、農地に施用する場合も表面散布でなく土中施用するなどの対策をとっている。
 
アンモニア性窒素 (ammonia nitrogen)
[アンモニア態窒素]参照
 
アンモニア態窒素 (ammonia nitrogen)
 NH4-Nと表記する。
 アンモニア態窒素とは、アンモニウム塩をその窒素量で表したものである。アンモニア性窒素ともいう。家畜ふん尿においては、アンモニア(NH3)はタンパク質、アミノ酸、アミン類、尿素、尿酸、馬尿酸などの含窒素化合物が分解する際に生成(→アンモニア化成)されるが、家畜ふん尿や畜舎汚水のように水と共存するような状態ではアンモニウムイオン(NH4+)の形態で存在する。
 排水中のアンモニア態窒素は、水の汚染指標として重要であるほか、水域の富栄養化の要因として、また稲作等に対する窒素過剰による弊害を評価するうえで測定の意義が大きい。アンモニア態窒素は、酸化されて亜硝酸態窒素を経て硫酸態窒素となる。
 水系におけるアンモニア態窒素の存在は、近い過去に、し尿(ふん尿を含む)による汚染のあった可能性を示す指標ともなっている。
 
EC (electric conductivity)
[電気伝導度]参照
 
異化作用 (catabolism, dissimilation)
 物質代謝において、化学的に複雑な物質をより簡単な物質に分解する反応。例えば、生体内において、蛋白質、糖類、脂肪などが分解されて、二酸化炭素、水、アンモニアなどになる反応。生体は、この反応によって活動エネルギーを得ている。
 
イソ吉草酸 (isovaleric acid)
(CH3)2CHCH2COOH
悪臭防止法の規制物質のひとつで低級脂肪酸(VFA)に属する。
 
一次処理 (first treatment, primary treatment)
 前処理ともいい、微生物等による本格的な処理を行う以前の汚水処理工程。
 一般に沈殿分離、浮上分離、篩やスクリーンによるSS除去等の物理的処理が中心となる。その工程だけでは、汚水処理が完了しない比較的簡易な汚水処理の総称。
 
イナワラ (rice straw)
 
ウィルス (virus)
DNAあるいはRNAの一方だけを持つ。寄生宿主の違いにより植物ウィルス、動物ウィルス、細菌ウィルスに区別される。
 
ウエバー・フェヒナーの法則 (Weber-Fechner's law)
 感覚の強さは刺激の強さの対数に比例するという法則。悪臭の場合、その臭気強度は臭気物質濃度Cとの間に次式の関係をもつ。
  I=k log C+a
ここで、k、aは物質によって定まる定数
 従って、臭気強度を1段階低下させるためには、臭気物質濃度が1/10にならなければならない。
 
エアレーション (aeration)
 空気を送り込むこと。空気を液状物中に送るときは曝気、固形物中に送るときは通気という。好気的な生物処理ではこの操作が必要であって、活性汚泥法や堆肥化処理は、その代表的な処理技術である。
 
エアレーションタンク (aeration tank)
[曝気槽]参照
 
液相 (liquid phase)
[三相分布]参照
 
SS (suspended solids)
 浮遊物質。濃度(ppm 又は mg/l)で表示する。水中に懸濁している不溶性の物質をいう。BOD、CODと深い関連性を持ち、また、汚泥生成量にも関係する。
 
SVI (sludge volume index)
 汚泥容量指標または汚泥容積指数。活性汚泥処理における曝気槽内の微生物活動の良否を判定するための指標で、SVとMLSSを測定し次式で算出する。
 SVI=SV(%)X10,000/MLSS(ppm)
 SVIは、活性汚泥を30分間静置した場合に、1gの活性汚泥浮遊物の占める容積をml数で示したもので、SVI=100とは、活性汚泥1gが100mlの容積を占めることを表しており、曝気槽内のSVIは100〜150が標準とされる。
 
MF膜 (microfiltration membrane)
精密濾過膜。[膜処理]参照
 
MLSS (mixed liquor suspended solid)
 活性汚泥浮遊物。曝気槽活性汚泥中のSS(浮遊物)をmg/lで表したものである。活性汚泥中の微生物量を測定することが困難であるため、MLSSがその代わりの指標として使われる。MLSSは、活性汚泥処理施設運転上の機能を表す指標として、3000〜6000ppmを標準としている。
 
MLVSS (mixed liquor volatile suspended solid)
 活性汚泥有機性浮遊物。MLSSの強熱減量をmg/lで表したものである。MLSSは、無機性のSSも含まれるので有機性のSSのみとして、なるべく微生物量に近似させようとしたもの。
 
塩基置換容量 (cation-exchange capacity)
[陽イオン交換容量]参照
 
ORP (oxidation-reduction potential)
[酸化還元電位]参照
 
汚濁負荷量 (pollution loading amount, pollution load)
 河川・海・湖沼等の水質汚濁の原因となる物質の量。
 排出量 X (BOD、COD、SS等の各汚濁物質濃度)の計算から算出される各汚濁物質の絶対量(例えば、kg/日)を、その排水の汚濁負荷量という。
 
汚泥容量指標 (sludge volume index)
[SVI]参照
 
on-off制御 (on-off control)
 変化量のある水準で回路が開き、他の水準で閉じる、最も基本的な制御方式。下水槽の水位が上がりある高さになるとスイッチが接続して汚水ポンプが作動し、水位がある高さまで下がると停止する、あるいは、ある気温を超えると換気扇が作動するなど、その例である。汚水処理施設などのポンプ類の制御では現在でも広く使われているが、各種恒温槽のヒータに対する通電量、畜舎の換気量、浄化槽の曝気量などでは、負荷に応じてサイリスターにより実効電力量を制御したり、インバータにより周波数を変えてモータの回転数を制御する方式も使われるようになっている。[比例制御]参照
 
温室効果 (green house effect)
 大気中の成分が、赤外線を吸収して地球圏外への放出を妨げる効果。
 
温室効果ガス (green house effect gas, green house gas)
 温室効果をもつ大気中の成分には二酸化炭素(炭酸ガス)、水蒸気、オゾンがあるが、これらのうち二酸化炭素は近世以降の人類の活動により増加している。これらのほか、各種フロン、メタン、亜酸化窒素などがあるが、これらは人工産物か人口の増加に一致した消長を示し、かつ温室効果が高いので、二酸化炭素とともに地球温暖化対策上その抑制策が求められている。[地球温暖化]参照
ア行・カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行・ヤ行・ラ行