近年、畜産経営者においては、BSEの発生などによる食品の安全をめぐる消費者の関心の高まりに対する対応など、いままでとは違った消費者を意識した飼養管理や生産から消費までの流れを正しく理解してもらう取組などが必要とされてきています。
そこで、本会では普段家畜と触れ合うことのない都市地区の小学生に肉用牛農家の飼養管理を体験させることで、自分たちが毎日いただいている「いのち」に対する畏敬の念や感謝の気持ち、さらに労働の尊さについて総合的に学習させることを目的に「畜産農家総合学習交流会」を開催しました。
その学習の記録絵本「牛のしょうたくん いのちきらきら物語」が完成しました。
平成16年度(開催の様子)
かがやきタイム(畜産農家総合学習交流会)いのちに感謝!
「牛のしょうたくん いのちきらきら物語」発表会
「牛のいのちをいただきます。その分かがやいて生きていきます。」という元気な声が高らかに聞こえます。
最近の我々を取り巻く社会情勢はめまぐるしく変化しており、「いのち」を軽視した事件が毎日のように目につきます。
熊本県畜産協会では明日の日本を支える子供たちの、健全な心と身体を培うための一助になればと「かがやきタイム、いのちに感謝!」総合学習会を小学校で実施しました。
対象とした学校は、熊本市の繁華街に近い熊本市立本荘小学校です。同校は少子化やドーナツ化の影響などで、一学年二十名前後で学校全体でも百名足らずの児童数です。
三年、四年生のクラスでは、普段家畜とふれあうことのない子供たちに予習という意味で「ゲストティーチャー学習会」を学校で開催しました。講師はうぶやま田舎塾塾長代理の滝本勇治さんにお願いし、肉用牛の基礎知識や阿蘇放牧地の役割などを勉強しました。子供たちの牛への気持ちが高まった後、次は阿蘇の放牧地で「現地学習会」を行い、本県の代表的な肉用牛「あか牛」と直にふれあいました。講師は南阿蘇村の下磧牧野組合の松岡栄記さんたちです。当日は牛道を牛といっしょに歩いたり、角輪に触れて角の温もりを感じ、肉用牛を飼っている農家の人々とのふれあいを通じて、命に対する感謝の気持ちを実感することができました。
この牧場体験を皮切りにその後、牛皮なめし工場、繁殖農家、肥育農家、食肉センターなども見学しました。その結果、命を大切に育てる仕事と命を無駄にしないこととは、命に感謝するという共通の気持ちでつながっていることがわかりました。
低学年の一年、二年生は地元の牛ふん堆肥を利用した土作り、野菜作りを体験し、収穫の喜びとそれを使った料理を食べることによりいのちの大切さを学びました。
最終的に自分たちが毎日いただいている「いのち」に対する畏敬の念や感謝の気持ちを学習することができました。
「私は牛の肉を残しません。だって、牛のいのちは私の命になるのだから」という三年生の言葉が印象に残りました。
平成17年度(開催の様子)
かがやきタイム(ゲストティーチャー学習会)あその放牧地!
かがやきタイム(現地学習会)(下磧牧野組合)開催!
かがやきタイム(ゲストティーチャー学習会)堆肥の利用!
かがやきタイム(現地学習会)開催!In美里町、山都町
かがやきタイムゲストティーチャー研修会 堆肥利用の野菜を使った食育