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小国ジャージー乳牛導入40年の歩み

小国郷酪農振興会 会長 高村 祝次 

 熊本県の阿蘇外輪の北部に位置し、自然に囲まれた小国郷は小国町、南小国町からなり、筑後川の上流に位置します。標高は300〜800m、総面積は
13,700haで、そのうち農地1,078ha、山林10,684ha、原野580ha、その他1,358haで、夏は比較的に涼しく、冬は-5℃以下になり、年間平均気温は13℃、年間降雨量は2,500mmと畜産や野菜生産に適した条件になっています。
 観光地として、小国町は「悠木の里づくり」で小国杉による、ゆうステーション、家畜市場、物産館(ぴらみっと)等があり、南小国町は「きよらの里づくり」で、物産館「きよらカアサ」観光農園直売所等があります。その他温泉宿泊施設を備えた地域には毎年多くの観光客が訪れています。


 

 ■小国郷の農業概要

総農家
戸数

専業農家
戸数

第1種
兼業農家

第2種
兼業農家

耕地
面積

肉用牛

ジャージー牛

繁殖牛

肥育牛

戸数

頭数

1,546
(戸)

211
(戸)

371
(戸)

964
(戸)

1,078
(ha)

戸数

頭数

戸数

頭数

35
1,122

250

1,240

14

1,300

地域の農業は水稲+畜産+野菜の複合経営がなされてます。

 


 

 ■ジャージー牛導入の動機
 かつて小国郷の農業は米麦+畜産(あか牛)の複合経営が主体でありました。当時畜産部門で乳牛を導入し、山岳地帯の小国郷農業の振興を計ることになりました。そこで乳用牛としては、小型で体重400kg前後の牛で、粗食に耐え、性格はおとなしく、牛の仲間では1番頭が良いといわれている、イギリスのジャージー島原産のジャージー牛が選定の対象となりました。老人、子供でも飼える「おとなしい牛」「草から乳を搾る経済的な牛」で特に小国郷の山岳地帯(原野)で飼いやすく、身の軽い牛であるということで、小国郷には昭和32年より導入されました。

■昭和32年 第1回導入牛到着

 


 

 ■ジャージー牛の導入

(1)豪州より導入

年 月

s32.2

33.3

33.7

33.9-11

35.3

35.4

36.4

頭 数

98頭

111

184

187

187

88

178

1,033

(2)米国よりの導入
   昭和36年4月に13頭 昭和63年〜平成3年に60頭 計73頭

(3)ニュージーランドよりの導入
   昭和61年〜昭和62年に320頭導入

 最初の導入牛は、昭和32年2月24日寒い時期に小国駅につきました。初めて見るジャージー牛を約500m離れた小国農協まで移動するのに、放牧で人に馴れていないので、あばれ廻り大変でありました。その後年々各地域から導入され、第1回目は表に示すように豪州より1,033頭その後米国より73頭、さらにニュージーランドより320頭で総導入頭数1,426頭になりました。

 


 

 ■小国郷ジャージー酪農の推移

年 度

S.32

37

42

47

52

57

62

H.4

7

10

戸 数
(戸)

99

489

310

151

77

57

51

44

36

35

頭 数
(頭)

142

942

1,186

918

623

767

743

977

970

1,122

生産量
(t)

-

1,221

1,932

1,706

1,553

1,814

2,145

2,924

3,012

3,376

生産額
(千円)

-

45,177

88,892

112,623

188,907

236,494

288,935

416,915

435,182

491,845

 昭和32年導入時は99戸の142頭の飼養で牛乳生産は昭和33年1月より出荷が始まりました。飼養戸数は昭和37年489戸となりましたがその後減少を続け現在は優秀な酪農家35戸が経営しています。飼養頭数は昭和42年1,186頭となりましたが、乳価値下げ問題等で昭和52年には623頭に減少しました。その後、飼養意欲が高まり現在は1,122頭となっています。それに伴い、現在では生産乳量3,376tと増量し、生産額4億9千万円にまでなっています。

 


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