熊本県家畜市場における城北地域の肉用牛子牛市場成績について
熊本県畜産会 地域相談窓口員
城北担当 森 敏信



 熊本県の城北地域は、福岡県、大分県に接する玉名、鹿本、菊池地域からなる農業地域で、米、施設野菜、花、果樹等と家畜飼養頭数の多い畜産地帯で、中でも旭志村は畜産の村である。

●城北地域の家畜飼養頭数
 別表1の通り、肉用牛戸数850戸、18ヶ月以上の飼養頭数は5,943頭(うち褐毛和種3,335頭、黒毛和種2,608頭)県比率21.7%である。
肥育牛は肉用牛11,698頭、交雑種22,736頭となっている。
乳用牛は545戸の経産牛19,462頭で県比率56.1%の高率を占める酪農地域である。

●城北地域の肉用牛子牛市場成績
 肉用牛経営の安定向上を図るために、市場ごとに子牛価格を安値は褐毛和種、和牛交雑を23万円以下、黒毛和種27万円以下の直接生産費とし、高値は褐毛和種、和牛交雑を32万円以上、黒毛和種は45万円以上の高利益の子牛。平均価格は入場頭数の平均とした。しかし、平成13年9月10日BSEの発生後10月から14年7月まで子牛値の急低落に伴い基準価格を回復させた。

表2の通り、城北地域の肉用牛子牛市場成績は、
1.褐毛和種;平成13年14年の入場頭数1,858頭で安値17.4%で体重259kgDG 0.86である。高値は平成13年21.3%、14年31.6%、体重316kg、DG 1.12で発育良好である。
2.和牛交雑種;入場頭数970頭で安値13年36.4%、14年26.8% 体重13年260kg、14年247kg、DG0.86で発育悪く、多頭である。高値は13年7.4%、14年20.3%と高率となった。体重は13年318kg、14年306kgでDG 13年1.13、14年1.08で発育が良い。 3.黒毛和種;入場頭数3,740頭、安値 13年20.3%、14年14.6%の高率となっている。体重は13年246kg、14年239kgでDGは0.79と0.78で差がないが発育が落ちる。高値は13年18.2%、14年25.5%の増率となり、体重は13年301kg、14年293kgのDG1.03で発育良好である。
▲全体的に日齢は安値多日、平均は中間、高値は短日である。価格は、安値、高値の差が大きくkg単価も同じであった。DGも安値、平均、高値の差があり、DG1.0以上がほしい。
▲安値の原因は@飼養管理の不充分による発育の遅れA子牛の下痢等の疾病、種雄牛の選定の問題、C母牛の問題等が考えられるので、これ等の対策をし、安定基準以上の子牛を生産してほしい。平均価格は全体の平均、高値は生産費を引き利益ある子牛ですので多頭生産してほしい。

●熊本市場と城北地域の平均価格
1.褐毛和種の城北地域の比率は入場頭数 13年28.1%、14年33.8%で日齢の差はなく、体重は3〜5kg重く、価格は13年44円高、DGは0.01〜0.02高く、kg単価は14年17円安値となっている。
2.交雑種の入場頭数は36%で日齢は1〜4日長く、体重は14年 5kg重く、価格は2〜3千円高値でDGは0.01高くなっている。
3.黒毛和種の入場頭数は66.5%を占め、日齢の差はなく、体重は14年5kg重く、価格は1〜2千円高値で、DGは0.02多く、kg単価は13年3円高、14円5円安となった。
▲城北地域は熊本市場に比べ、入場頭数の比率は、褐毛和種、交雑種は28.1〜36.8%を占め、黒毛和種では66.5%と高率となっている。日齢、体重、価格、DG、kg単価でも表の通りやや高くなっている。

●性別頭数、比率
表の通り、平成13年は安値は雌子牛80%以上、13年は雌子牛72%以上で去勢子牛は20〜28%以下となっている。高値は褐毛和種、交雑種は雌子牛10%程度、去勢子牛67.8〜78%である。
▲安値は雌子牛の比率が高く、高値では去勢子牛が高率を占めている。今後は雌子牛の飼養管理等の改善が必要である。


●種雄牛名及び頭数順位
1.種雄牛の利用は、褐毛和種の安値は第四光重、第五光重、第十六光重、第十四光重が多数を占めている。高値では第四光重、第三光重、第十六光重、光玉波の頭数が多い。平成14年には第十六光重の174頭が伸びている。
10位以外に12頭が利用されているが光重系多く今後問題である。
2.黒毛和種の安値は美津福、福栄、平茂勝、福谷福が上位を占め、高値では平茂勝、福栄、北国7の8、美津福、安福165の9等が上位で全国的に優秀な種雄牛が選定されている。10位外で53頭の種雄牛を利用されており、今後の種雄牛の選択が重要と考えられる。

●熊本県市場の市場ごとの最高値と城北地域関係
熊本県市場ごとにおける種類別最高値は別表の通り
1.褐毛和種 平成13年、10月〜12月、14年、2、9、11月が城北地域である。
2.和牛交雑種 平成13年、6月〜8月、12月、14年1、7、8、11月が城北地域である。
3.黒毛和種 平成13年、7、9月、14年1、4、5、7、8、10、11月が城北地域である。
16ヶ月中9ヶ月の56%が城北地域である。
▲市場の100万円以上子牛は、平成13年7月110万円 大津町、平成14年6月1,103千円 阿蘇町、10月1,031千円 泗水町  黒毛和種の雌子牛である。
▲優秀子牛が県内に保留し、肉用牛の改良をしていくことが重要である。

以上のようなことで飼養管理技術の改善、種雄牛の選択に努力し、安値子牛を減少し、高値子牛を増頭して、今後の肉用牛経営の後継者の育成、規模拡大等による経営の安定、消費者に喜ばれる安全な肉牛生産による肉用牛経営の推進を図る。

■■■城北地域の家畜飼養戸数・頭数■■■

※ 平成14年度熊本県畜産統計(平成13年12月31日調査)

■■■城北地域の肉用牛子牛市場成績■■■

※ 平成13年9月BSE発生に伴い、価格変動大きく基準を変更した。
価格は消費税を含まない。平成13年は6月〜12月。

■■■1.褐毛種 安値(15〜25万円以下)城北地域■■■

※ 価格は消費税を含まない

■■■1.褐毛種 平均価格 城北地域■■■


■■■1.褐毛種 高値(23〜35万円)城北地域■■■


■■■2.和牛交雑 安値(23〜35万円以下)城北地域■■■


■■■2.和牛交雑 平均価格 城北地域■■■


■■■2.和牛交雑 高値(23〜35万円)城北地域■■■


■■■3.黒毛種 安値(22〜27万円以下)城北地域■■■


■■■3.黒毛種 平均価格 城北地域■■■


■■■3.黒毛種 高値(40〜45万円以上)城北地域■■■


■■■平均価格の熊本市場、城北地域■■■

※成立頭数。価格は消費税を含まない

■■■性別頭数、比率■■■

※平成13年9月BSEの発生に伴う子牛の価格変動のため、安値、高値の基準を変更した。

■■■種雄牛名及び頭数順位■■■


■■■平成13年褐毛種最高価格■■■

※城北地域  父牛@第四光繁4頭、A光玉波3頭

■■■平成14年褐毛種最高価格■■■


■■■平成13年和牛交雑最高価格■■■

※城北地域  父牛各1頭

■■■平成14年和牛交雑最高価格■■■

父牛(金鶴:4頭・福谷福・菊安・大船7・平茂勝・安平照・安福57・照藤・美津福:各1頭)

■■■平成13年黒毛種最高価格■■■


■■■平成14年黒毛種最高価格■■■

※城北地域  父牛(安福165の9:2頭・紋次郎:5頭・平茂勝:2頭・糸福(大):2頭)



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