◆◇◆ 報告者:(社)熊本県畜産協会 総括畜産コンサルタント 米川康雄 ◆◇◆


【T地域の概要】
 跡ヶ瀬牧野組合のある阿蘇市は、熊本県の北東部に位置し、阿蘇5岳(根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、
杵島岳)を中心に外輪山をめぐらした世界最大級のカルデラ地帯の中にあり、比較的平坦地の多い阿蘇谷と
広大な草原を有した起伏に富み傾斜地の多い阿蘇外輪地域で形成されている。
 また、同地域は阿蘇くじゅう国立公園に指定されており、ハナシノブ、ヒゴタイ、スズランなど阿蘇高原特有の
希少植物が自生するなど、自然資源が大変豊富な地帯である。
年平均気温が約13℃、年間降水量は約3,000oで、四季を通じて比較的冷涼で多雨な気候であるため、平
坦地では稲作 ・施設園芸を中心とした農業が盛んである。外輪山地域の草原では牧野組合の運営による放
牧畜産が行われ、山間地では高冷地野菜の栽培も取り組まれている。
    
     
跡ヶ瀬牧野組合放牧風景 希少植物ヒゴタイ


【U取り組みに至った経緯】
 本牧野組合は、昭和44年4月1日に入会地(入会地を有する市町村有地)を利用して放牧・採草を行うことを目的と
して設立された。設立当初は組合員24戸で発足し、4月から11月中旬まで放牧し、厳寒の冬は里の畜舎で飼養する
いわゆる「夏山冬里」方式の放牧でスタートした。現在は8個で放牧・採草兼用地(改良草地68ha、野草地100ha)、
野草採草地(野草地20ha)を管理している。昭和46年から牧乾草の販売を始め、現在の採草及び乾草調整は、ロー
ルベール体系を主体としているが、一部タイトベール体系での乾草調製も行っている。その牧乾草の一部は冬期放牧
の補助飼料として利用し、残りは地域内外の畜産農家や熊本市動物園などへ広く販売している。
  
     
牧草収穫作業 牧草販売


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