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【家畜敷料の利用】
 畜ふんの堆肥化にあたっては、通気性を高めることが重要であり、材料中の水分を除去する方法と、おが屑等の副資材を添加する方法などがとられている。前者には、畜ふんを装置に投入する以前に畜舎内で予備乾燥したり、ハウス乾燥施設で水分を蒸発させるか、または機械的に水分を搾り出す個液分離などの方法がある。
 副資材の具備すべき条件としては、吸水性・保水性に冨み、畜ふんと混合した場合にその通気性が高められることが必要である。これらの条件を満足させる副資材として特徴と形状を下記の表に示した。
☆主な副資材の特徴
副資材名
利   点
欠   点
備   考
稲ワラ・麦稈
@ 材料の通気性改善効果
A 分解比較的容易
@ 収集時期が限定される
A 収集作業が多労
B 処理施設によっては細断が必要
@
収集作業の共同化(機械化)が必要
A 粗飼料として利用される場合が多い
籾 が ら
@ 材料の通気性改善効果あり(未粉砕)
A 粉砕すると吸水性高まる
@ 分解が比較的困難
A 粉砕にエネルギー必要
共乾施設で発生する籾殻の有効利用が必要
お が 屑
バ ー ク
@ 材料の通気性改善効果・吸水性あり
@ 入手がしだいに困難(高価のため)
A 分解が比較的困難
B 作物の生育阻害物質を含むものあり
常時一定量入手可能な相手先の確保必要
無機質材料
(パーライト等)
@ 材料の通気性改善効果・吸水性あり
A 安定した必要量の確保可能
B 分解しない
@ 高価である
@ 使用量を極力少なくするよう畜ふんの水分低下をはかる
A 製品が高価販売できるように努める
戻 し 堆 肥
@ 材料の通気性改善効果・吸水性あり(ただし低水分の場合)
A 確保が比較的容易
@ 高水分の場合は通気性改善効果
A 分解による発生エネルギーまたは無し
B 販売できる製品量が少ない
@ 戻し堆肥の水分を低下させる乾燥施設を設ける必要あり
A 共同処理施設などではこの例が多い
 


 

【畜産用敷料に古紙の利用】
 畜産用敷料として使われているオガクズは、国内の材木需要の落ち込みや外国からの製品輸入などから国内において製材量が少なくなり、製材所の廃業や操業短縮などが進み、減少しております。このようなことから首都圏ではオガクズの不足をかたし、全国的に畜産農家はその手当に四苦八苦しています。最近では、糞尿処理にオガクズの欠くことが出来ない管理方式の畜舎が多くなっています。製材所の統合や事業縮小でオガクズは、ますます入手できなくなる傾向にあり、全農などでは、オガクズに変わるような資材を物色していたところ、古紙の利用を考えて試験をやっています。畜産試験場でも堆肥としてよく発酵するかどうかについても試験をしており、その結果かなり発酵しやすく、敷料として優れていることが分かった。
☆古紙敷料資材としての物理的特性
 古紙の特性は表1にあるように、@低水分で糞尿や尿汚水に吸着性が優れており、A膨軟化した古紙は保水性に優れ、Bオガクズやモミガラに比べてワックス・樹脂やリグニン物質が極端に少ないので発酵処理が容易であり、C雑誌や電話帳を古紙の原料とするため潤沢に供給でき、D安全性についても分析結果から有害金属や土壌有害物質が溶出されないなど優れた特性をもっている。
表1-オガクズと古紙の物理的特性 表2-堆肥発酵温度の推移(成績を抜粋)
特 性
オガクズ
古 紙
水  分
27.3
  6.8%
かさ比重
0.2 -
  0.005
保 水 性
優れる
特に優れている
保 温 性
優れる
特に優れている
経過日数
オガクズ
巻癖古紙
粉砕古紙
開 始 日
35.1℃ 32.2℃ 33.7℃
4 日 目
56.3 58.2 60.6
8 日 目
49.4 60.5 62.5
15日 目
28.0 28.9 26.9
☆素材別の堆肥発酵温度の比較
 表2は、オガクズと古紙敷料に生豚糞を混合して発酵温度などを比較した畜産試験場の成績を示した。古紙は巻き癖をつけたものとミキサーで粉砕したものを用い、それぞれと同じ量の敷料に同量の生豚糞を混合し、開始時と6日後に切り返しをした成績です。オガクズは最初はよく発酵して高温になりますが、4日目あたりから発酵温度が大きくみられるようになります。切り返し時点では、古紙の両区は発酵温度も高く、8日目ではオガクズ区と古紙の両区との間では10℃以上の発酵温度差がみられるようになります。古紙区の方は、60℃を持続する時期がオガクズ区より長く、堆肥資材としてもオガクズより優れていることがわかりました。
☆古紙敷料の価格
 オガクズは現在では20〜25円/kgに上昇しており、2トン車容積で2〜3万円程度になっています。古紙敷料は、オガクズより敷料として優れているので引き合いも多くなっていますが、農協や経済連などが斡旋して25円/kg(消費税は外枠)で流通しております。古紙は比重が小さく、軽く嵩ばるので裁断工場を中心に150km以内の農家に供給されているのが現状ですが、さらにコスト低減と輸送方法の工夫が必要となります。
 


 



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