食肉の上手な調理法/調味料、スパイス、ハーブの賢い使い方



■はじめに
■肉の調理上の基礎知識
 ├補助調理法

 ├本調理法
  ├焼く
  ├煮る
  ├揚げる
  ├炒める
  ├蒸す
■栄養効果を高める調理法
 ├調理法による栄養成分の変化

■肉料理に合う野菜の取り方
 ├1日に必要な野菜の量は

 ├主菜の付け合わせ野菜
 ├浸ものやサラダとしての野菜
■調味料・スパイス・ハーブの賢い使い方
 ├調味料

 ├スパイスとハーブ
■肉や骨を使っただし汁の作り方


 
 スパイスとハーブ  

●スパイス
 スパイス(Spices)は香辛料のことで、肉料理と共にヨーロッパで発達したものです。スパイスとして使われるものは、植物の根、茎、種子、実、花などです。スパイスには、香りを目的としたもの、辛味を与えるもの、色を用いるもの、またはこれらの目的を2つ以上持っているものなどがあります。
 香辛料は、スパイスのうちでも特に料理に辛みを添えて肉の臭みなどを消し、食欲を高めるものです。代表的なものに、唐辛子、マスタード、こしょう、わさびなどがあります。これらは防腐作用が強く、またその刺激は消化を助けることにも役立ちます。
 香味料に使われるのは、主にロリエ〈月桂樹の葉)、ナツメッグ、クローブ、セロリなどです。
色を用いるものは、サフラン、パプリカ、ターメリック(うこん)などがあります。

●ハーブ

 ハーブ(Herbs)は香草と呼ばれるもので、香辛料のうち葉を使うものを言います。高い香りと独特の風味を持つ草類のことです。パセリ、チャービル、タラゴン(仏・エストラゴン)、タイム、セイジ、バジル、マージョラム、アンゼリカなどがこれに属します。
 これらの香草は葉や芽を摘み取り、生のまま乾燥したものを料理の香り付けやにおい消しに使います。また数種の香草を取り合わせ糸で結んだもののことをブーケ・ガルニ(香草の束)と言います。煮込み料理やブイヨンなどを作るときに一緒に入れます。

洋風料理によく使用されるスパイスとハーブ
●こしょう(仏・Poivre、英・Pepper)
 こしょうの実を乾燥させたもので、黒と白があります。黒は未熟なうちに乾燥したもので風味があり、白は完熟した実の皮を除くので、黒に比べて香りは枯れて辛味は強く上品になります。肉料理にこしょうはよく使用されます。焼き肉やひき肉だんごには黒が良く、ホワイトソースやホワイトシチューなどには、白を、出来れば粒をひいて使うと香りが生きます。

●辛子(仏・Moutarde、英・Mustard)

 種子を脱脂粉末化したもので、黒辛子と白辛子があります。粉末に水を加えることで辛味が得られます。ハンバーグステーキ、肉のソテー、ソーセージのソースに最適です。

●月桂樹の葉(仏・Laurier、英・Bay leaf)

 月桂樹の葉を乾燥したもので、芳香を付けるために広く使われます。ブイヨン、シチュー、ホワイトソース、マリネなど、特に煮込みに入れるとぐっと味が引き立ちます。

●にくずく(仏・Noix de Muscade、英・Nutmeg)

 2〜3cmの卵形の実で、粉末にして使います。肉の臭みを消して香りを付けます。ひき肉料理には不可欠。そのほかソースやお菓子にも用います。

●タイム(仏・Thym、英・Thyme)

 しそ科のじゃ香草を乾燥したものです。肉類の臭みを消すのに役立ちます。ソース各種、コロッケのほか、香草の束には欠かせません。

●丁子(仏・Clou de Girofle、英・Clove)

 花のつぼみを乾燥させた茶褐色のくぎに似た形のものです。刺激性の香りが強く、ハムや豚肉に刺してオーブン料理に、粉末は焼きリンゴやプディングにも用いられます。

●パセリ(仏・Persil、英・Parsley)
 よく知られている香草の一種です。茎を香草の束として魚や肉の煮込みに、及びマリナードに使います。葉のみじん切りは各種料理の風味付けと彩りに用います。

中国料理によく使用されるスパイス
●にんにく
 独特のにおいは、肉の下味や炒めものに適しています。にんにく嫌いな人は塊のまま炒め、香りが立ったら取り出します。

●しょうが
 辛味と香りが料理を引き立てます。にんにくと併用することが多く、薄切り、千切り、みじん切り、すり下ろしにして使います。

●唐辛子
 ぴりっとした辛さが味を引き締めます。炒めものでは、最初に入れると辛さが強く後では弱くなります。好みでタイミング良く使いましょう。

●実ざんしょう

 花椒と呼ばれ、熟したさんしょうの実を乾燥させたもので香りが良く、煮ものなどに用います。

●八角

 ういきょうの実をさやごと干したもので、星形をしています。強烈な香りは肉類や内臓料理の臭い消しに向きます。

和風料理のスパイスとハーブ
 前記の、しょうが、にんにく、唐辛子、実ざんしょうのほかに、木の芽、青じそ、あさつき、ゆず(かぼす、だいだい)、ごまなどは、肉料理の場合に、下味や仕上げの天盛りなどに使用されます。
 香辛料は肉料理の脇役として欠かせないものですが、香りと風味が生命ですから、少量ずつの購入を心がけ、使い残りはきっちり蓋をして冷暗所に保存するようにしましょう。

アルコール類
 日本酒は、辛口、甘口にかかわらずみりんと同様に肉料理の風味を良くします。洋酒でよく用いるものは、赤と白ワイン、シェリー酒、マディラ酒、ブランデーなどで、料理の中にふんだんに使われて奥深い味を完成させるのに役立っています。