食肉の上手な調理法/栄養効果を高める調理法



■はじめに
■肉の調理上の基礎知識
 ├補助調理法

 ├本調理法
  ├焼く
  ├煮る
  ├揚げる
  ├炒める
  ├蒸す
■栄養効果を高める調理法
 ├調理法による栄養成分の変化

■肉料理に合う野菜の取り方
 ├1日に必要な野菜の量は

 ├主菜の付け合わせ野菜
 ├浸ものやサラダとしての野菜
■調味料・スパイス・ハーブの賢い使い方
 ├調味料

 ├スパイスとハーブ
■肉や骨を使っただし汁の作り方


 

 
 調理法による栄養成分の変化  

 調理は「焼く、煮る」などを本調理とするならば、「切る、たたく」などは補助作業ですが、良い料理を作るための手順ですからおろそかには出来ません。材料や時間を無駄にせず、能率良く料理を作るためには、補助調理法と本調理法のポイントを理解することが大切です。

●調理によるエネルギーの変化
 肉料理の場合、調理法によって大きく変化するのはエネルギーと脂質です。
 肉は煮ると40%、蒸すと60%エネルギーが減ります。肉は、ゆでたり煮たりすることでかなりの脂肪が溶出します。加熱しながらアクと共に浮く脂をすくい捨てますが、更にこれをゆで汁ごと冷蔵庫で冷まし、上に白く固まった脂を取り除くと約40%エネルギーダウンすることが出来ます。
 蒸す方法も、じんわりと加熱するので内部の脂肪を除くには効果的です。かなり高脂肪料理と考えられる豚ばら肉の角煮も、まず表面の脂身を取り、初めは香味野菜と酒をふり、次に調味液をかけてそれぞれ1時間ずつ蒸すと約60%のエネルギーがカットされます。
 そのほかの場合も、表10のように調理法によって元の脂質が減っています。網焼きの場合は、溶けた脂質が網目から落ちます。「牛カルビ肉の網焼き」などは、脂肪を少なくしておいしく健康的な肉の食べ方といえます。
 フライパン焼きだけは調理後に脂質が多くなりますが、これは調理の際に使ったバターやラードなどが肉に付着するためと考えられます。

●フライより天ぷら、衣揚げよりから揚げがローエネルギー
 揚げもののエネルギー量は、吸油率で左右されます。まず衣の種類では、素揚げ、から揚げ、フリッター、天ぷら、フライの順に吸油率は高くなり、更にクラッカー揚げやはるさめ揚げはこれを上回ります。つまりかさの少ない衣の方が吸油率は低いわけです。また、脂肪の多い肉や魚は素揚げやから揚げにすると、揚げている間に脂肪が溶け出るのでエネルギー量は意外に低くなります。

●衣揚げでは脂質は増えてもコレステロールは減る
 衣揚げでは、揚げ油が肉に吸収されるので脂質量は増えエネルギーは高くなります。一方、肉の脂質が油に溶け出し、代わりに植物油が肉に入るので脂質の内容が変わります。肉の飽和脂肪酸が減り、植物油の不飽和脂肪酸が増えるので、コレステロールは減少します。牛肉では約30%、豚肉でも約22%減となります。