食肉の上手な調理法/肉の調理上の基礎知識



■はじめに
■肉の調理上の基礎知識
 ├補助調理法
 ├本調理法
  ├焼く
  ├煮る
  ├揚げる
  ├炒める
  ├蒸す
■栄養効果を高める調理法
 ├調理法による栄養成分の変化

■肉料理に合う野菜の取り方
 ├1日に必要な野菜の量は

 ├主菜の付け合わせ野菜
 ├浸ものやサラダとしての野菜
■調味料・スパイス・ハーブの賢い使い方
 ├調味料

 ├スパイスとハーブ
■肉や骨を使っただし汁の作り方


 
 本調理法  焼く


ビーフステーキの焼き方と焼き加減
フライパンによる肉の焼き方は炒め焼き法(Sauteing=ソーティング)によります。ビーフステーキに代表されます。

■下準備---
(一) ビーフステーキには軟らかい部位を選びます(ヒレ、リブロース、サーロイン、らんぷが最適)。
(二) 肉は筋を切って焼き反りを防ぎます(肉をたたく必要のある場合は、たたいた後に赤身と脂肪の間を筋切りする方が筋の面積が広がって切りやすい)。
(三) 少し硬い肉(と畜してから日が浅く、熟成しきっていない肉)や輸入肉ならマリネします(風味が良くなり軟らかくなります)。
(四) 肉にふる塩は焼く直前にし、塩加減は0.8%位にとどめます(先に塩をふると、うまみを含む肉汁が流れ出て不合理。また、肉自体に1%相当の塩分を含んでいるので塩分は濃くしない方が良く、ソースや卓上塩もあるので、控えめが安全)。こしょうもひきながらかける方が味がよいでしょう。

■焼き方---
(一) 最初は強火で約30秒焼き肉の表面を固めて肉汁を逃がさないようにします。
 よく慣れたフライパンに油を強火で熱し、煙が出始めるくらい熱くなったところに(油が波状に揺らぐ)盛りつけて表になる方から肉を入れます。高温に当たってたんばく質が固まり、これがガードとなって中心から押し出されてくる肉汁の流出を防ぎます。
 ひと呼吸おいて(約30秒)肉に均等に熱を加え、焼き色をそろえるためフライパンは時々前後に揺すって肉を移動させます。
(二) 厚い肉ほど強火の後の弱火は長くします。
 表面が強火でガードされたら、あとは火力を弱めます。そうしないと中心に熱が届かないうちに外側が焦げてしまうからです。
 焼いている途中、時々持ち上げてフライパンを傾け、底に油を回します。これは、肉の重みで肉の下の油がはじけてなくなるためです。裏返して焼くときも同様です。
(三) 肉は一度返しで焼き上げます。
 一度返した肉を再び裏返すことは、折角肉の表面にたまったうまみのある肉汁を失い乾燥状態となり、艶も悪くなります。
(四) その他、肉は焼いている途中で赤身の部分をフォークで押さえたりすると、肉汁が外へ流れ出るのでしてはいけません。裏返すときも肉の端を持ち上げるようにしましょう。焼き油の分量は、脂身のある肉の場合は小さじ1位。脂身の少ないヒレやらんぷではその2倍にします。ただし、フライパンの大きさや焼き時間に応じて加減します。

図1 ステーキの焼き時間と焼き加減

焼き加減

レア(Rare)
生焼き

ミディアム(Medium)
中焼き

ウェルダン(Well-done)
よく焼き

内部温度
60度前後 65〜70度 70〜80度

焼き時間
の目安 

厚さ1cm
100gの場合
片面で 強火30秒 弱火30秒 片面で 強火30秒 弱火1分 片面で 強火30秒 弱火1.5分

厚さ2cm
150gの場合
片面で 強火30秒 弱火1分 片面で 強火30秒 弱火2分 片面で 強火30秒 弱火2.5分

切り口
切り口は鮮赤色で肉汁を多く含む。外側はやや縮んでいるが、中は生のときとほとんど変化なし。 切り口はレアより赤身が少なく灰褐色が多くなる。肉汁もやや減るが、レアとウェルダンのおいしさを味わえる。 切り口はうすいピンク色が少し残る程度。重量、厚みも小さくなり、ナイフを入れると切りやすい。
●焼き加減によって肉の風味、うま味、歯触りが異なり、いろいろ楽しめる。最初の強火の30秒はいずれも同じだが、弱火で時間をかけるほどよく焼きに仕上がる。