食肉の上手な調理法/肉の調理上の基礎知識



■はじめに
■肉の調理上の基礎知識
 ├補助調理法
 ├本調理法
  ├焼く
  ├煮る
  ├揚げる
  ├炒める
  ├蒸す
■栄養効果を高める調理法
 ├調理法による栄養成分の変化

■肉料理に合う野菜の取り方
 ├1日に必要な野菜の量は

 ├主菜の付け合わせ野菜
 ├浸ものやサラダとしての野菜
■調味料・スパイス・ハーブの賢い使い方
 ├調味料

 ├スパイスとハーブ
■肉や骨を使っただし汁の作り方


 
 本調理法  焼く


ローストビーフの焼き方と焼き加減
ローストは蒸し焼き法(Roasting=ロースティング)によるもので、オーブンまたは厚手のなべを使用します。ローストビーフが代表的な料理です。。

■下準備---
(一) ローストビーフには、まず軟らかい部位の肉を選びます。ヒレが一番ですが、味はやや淡泊なので、風味の点ではロース(リブ、サーロインなど)です。また、経済面も考えて家庭的にはらんぷ、しんたま、もも肉なども適します。また、分量はオーブンの場合は、空気熱による加熱法なので水分が蒸発しやすく、ある程度の大きさがないと焼き上がりがバサついてしまうので、最低1kg位は必要です。
(二) 肉は室温に戻しておきます。冷え切った肉を焼けば、それだけオーブンに入れる時間が長くなり肉が硬くなります。焼く1時間位前には冷蔵庫から出します(内部温度10度位が目安)。
(三) オーブンはあらかじめ200度前後に熱しておきます。
表5 ローストの火の通り加減と温度

火の通り加減

牛肉

豚肉
レア 55〜65度

75度以上
ミディアム 65〜70度
ウェルダン 70〜80度
ベリウェルダン 80度
注、焼肉の場合はよく熱を通す必要がある。

(四) 肉をたこ糸で縛ります。これは焼いている間の変形を防ぐためです。まず、肉を平らに置いて横にたこ糸をかけ、肉をくぐらせながら3〜4cm間隔に締めていき、ひっくり返します。縦の長さを見積もって糸を切り、図のように横にかかった糸に1本ずつかけて結びます(きつく締めすぎると火の通りが悪くなるので軽く締めます)。
図2 たこ糸のかけ方

1.最初は2〜3回糸をからげると、結び目がゆるまない

3.肉をくぐらせ、糸を締めていく

2.手に糸をかけて、輪を作る

4.横がかけ終ったらひっくり返し、縦も糸をくぐらせていく

(五) 塩は焼く直前と途中とに分けてふります。焼く前に塩をふると浸透圧によって肉の水分が出て硬くなってしまいます。
(六) 肉の表面に油を塗ります。これは肉に被膜を作って熱の当たり具合を間接的にし、乾燥を防いで、軟らかい焼き上がりにするためです。


■焼き方
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 ローストは、初めから終わりまで高温で焼く方法と、初め高温で肉の表面を焼いたら、次に温度を下げて焼く方法の二通りがあります。どちらをとるかは、肉の部位や分量によって決めるのがよいでしょう。
(一) 初めオープンは200〜220度の高温で肉の周囲を焼き固めて、おいしい肉汁を逃がさないようにします。
(二) 肉質と分量にあわせて、温度と時間を調節します。上質の軟らかい肉ほど火の通りが早いので、ヒレやロースは焼き終わりまで高温でも良いのですが(ロース1kgで約30分)、肉質が硬くなるほど時間がかかります。焼き始15分位たったら180度、もも肉などは150度に温度を下げ、時間も40〜45分かけないと軟らかく焼き上がりません。
(三) 焼く途中、天板にたまる油をスプーンですくって肉にかけます。乾燥を防ぐとともに焼き色を良くします。
(四) 焼け具合を判断するには、赤身の部分を指で触ってみて弾力がありすぐ戻るようならレア(生焼け)、あまり弾力がないようならミディアム(中焼き)、硬く締まっていればウェルダン(よく焼き)で十分焼けています。
(五) 焼き上がった肉は、15〜20分間そのまま置きます。この時点で肉の内部の温度は2〜3度上がります。
(六) その他、天板に残った肉汁でソースを作ってローストビーフに添えて勧めます。ホースラディシユ(西洋わさび)クリームも伝統的な組み合わせです。