食肉の栄養知識/食肉とコレステロール



■はじめに
 ├古代人は何を食べていた

■仏教の肉食禁止
■わが国の近世から現代の
 肉食と健康

■国際的な日本の位置
■栄養素摂取の日米比較
■ライフステージ別栄養
■長寿地域の食パターン
■食肉に含まれる栄養素の
 特性とその働き
 ├食肉の種類と栄養成分

■調理法による栄養価の変化
 ├肉類を調理する理由

 ├加熱による食肉の変化
 ├食肉の調理による変化
 ├和牛と輸入牛肉の違い
■食肉とたんぱく質
 ├なぜたんぱく質を食べ
  なければならないか

 ├動物性たんぱく質が
  優れているわけ

 ├日本人と動物性たんぱく質
 ├「トピックス」
   食肉のたんぱく質

■食肉とコレステロール
 ├コレステロールとは?
   -体内における役割-

 ├体の中で作られる
  コレステロール
 ├コレステロールの体内移動

 ├コレステロールと
  脂肪酸の関係

 ├コレステロールと健康・疾病





 
 コレステロールと健康・疾病  


死亡率と血清コレステロール値の関係

─多すぎても少なすぎてもいけないコレステロール─
 血清中のコレステロール値と死亡率の関係を見たものに、アメリカで約35万人を対象として6年間にわたって実施されたMRFIT(multi risk factor intervention)という疫学調査があります。この調査では、血清コレステロール値が高くても低くても総死亡率(すべての死因を含む死亡率)は上昇し、グラフに示すとU字型の曲線になると報告されています(図1)。同様の成績は、アメリカやヨーロッパなどにおけるほかの研究でも確認されています。MRFITの成績では、血清コレステロール値が180〜200mg/dl前後が最も総死亡率が低く、適切なコレステロール値であると考えられています。この疫学調査では、病気による死亡率とコレステロール値の関係についても分析しています。図1に見られるように、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患では、コレステロール値が180mg/dl以下では死亡率に差が見られませんが、180mg/dl以上になると死亡率が上昇しています。ところががんの場合は、コレステロール値が低いほど死亡率が高くなっています。
 同様の報告は、ほかの調査や研究にも見られます。適切なコレステロール値は、病気の種類によっても異なるのでコレステロール値は高すぎても低すぎても良くないのです。