食肉の栄養知識/食肉とたんぱく質



■はじめに
 ├古代人は何を食べていた

■仏教の肉食禁止
■わが国の近世から現代の
 肉食と健康

■国際的な日本の位置
■栄養素摂取の日米比較
■ライフステージ別栄養
■長寿地域の食パターン
■食肉に含まれる栄養素の
 特性とその働き
 ├食肉の種類と栄養成分

■調理法による栄養価の変化
 ├肉類を調理する理由

 ├加熱による食肉の変化
 ├食肉の調理による変化
 ├和牛と輸入牛肉の違い
■食肉とたんぱく質
 ├なぜたんぱく質を食べ
  なければならないか

 ├動物性たんぱく質が
  優れているわけ

 ├日本人と動物性たんぱく質
 ├「トピックス」
   食肉のたんぱく質

■食肉とコレステロール
 ├コレステロールとは?
   -体内における役割-

 ├体の中で作られる
  コレステロール
 ├コレステロールの体内移動

 ├コレステロールと
  脂肪酸の関係

 ├コレステロールと健康・疾病




 
 日本人と動物性たんぱく質  
動物性たんぱく質の摂取量の増加と平均寿命の延びは相関関係にある
体位の向上にも動物性たんぱく質が関係日本人の平均寿命を延ばした結核・脳卒中の激減
動物性たんぱく質と脳卒中


動物性たんぱく質と脳卒中

 動物性たんぱく質の摂取量の増加が脳卒中や脳出血などの脳血管疾患を減らし、平均寿命を延ばすことに貢献しました。それでは、動物性たんぱく質は血管の健康にどのようにかかわっているのでしょう。
 京都大学大学院人間・環境学研究科の家森幸男教授らの動物実験の結果を紹介します。使われた動物は、放っておいても100%の確立で脳卒中を起こす「脳卒中易発症ラット」と呼ばれるラットです。このラットをたんぱく質が少なく食塩の多い餌で飼育すると、短期間で高血圧になり、100%のラットが早い時期に脳卒中で死んでしまいました。しかし、充分な量の動物性たんぱく質に食塩を加えた餌では、血圧は上昇したものの脳卒中で脂肪したラットはわずか10%でした。一方、食塩を加えず高たんぱく質の餌で飼育したラットは、血圧もそれほど上がらず脳卒中の発症は全くありませんでした(図7)。



 この動物実験から、たんぱく質と食塩が脳血管疾患に大きくかかわっていることが分かります。そして、たとえ高血圧や脳卒中になりやすい素因を持っていても、毎日の食生活の中で栄養の摂り方に気を付ければ、脳血管疾患の発症を防止出来るのではないかと考えられます。
 実際に家森教授らは、島根医科大学のボランティアによる実験で、遺伝的素因を持つ人でも、減塩と高たんぱく食で血圧の上昇を防ぐことが出来ることを証明しています。
 脳卒中などの脳血管疾患は、脳の血管が硬くなったり、狭くなったり、もろくなったりして、血管の中を血液がスムーズに流れなくなったり、血管が破れたりして、栄養や酸素が脳細胞に行かなくなることによって起きる病気です。
 たんぱく質は、血管壁を構成する細胞の膜の主要成分です。血管を丈夫に、そしてしなやかさを保たせるには、アミノ酸価の高い良質の動物性たんぱく質が必要なのです。