食肉の基礎知識/



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 食肉の衛生検査  


食肉の安全性確保のために

 食肉衛生検査所は、家畜の生産段階と食肉としての消費段階との接点にあたると畜検査を行い、人獣共通感染症を始めとする種々の疾病や食用に不適な部分を排除するなど、安全な食肉を消費者に提供するための重要な任務を負っています。
 また、同時に、と畜場で働くすべての人々を人獣共通感染症から守ると共に、家畜伝染病の蔓延を防ぐという観点からも重要な役割を担っています。

21世紀を目前に控え、科学技術は目ざましい進歩を遂げてきました。しかし、近年その存在が確認された新興感染症の多くは予防法が未確立のままで、国際化時代の新たな脅威となってきています。WHOは、1996年次の報告で、過去20年間に少なくとも30種類の新しい病原微生物が発見されたと警告しています。代表的な疾病としてはエイズ、エボラ出血熱、牛海綿状脳症、腸管出血性大腸菌O157などがあり、この中には人獣共通感染症も含まれています。
 これらの新たな感染症の出現要因は、熱帯雨林などの奥地開発に伴う未知の病原体と人間との遭遇、生態系や気候の変動、微生物の突然変異などが指摘されていますが、決定的な理由は判然としていません。国際交流の増大する現在においては、感染症は局地的なものに止まらず、世界的に急速に広まる恐れがあります。そのため、地球的規模の視野で情報を入手し、検査に対応していくことが必要となってきています。
一方、わが国においては、平成8年に関西地区を中心に発生した腸管出血性大腸菌O157による大規模食中毒事件に端を発して厚生省令(と畜場法施行規則)が改正され、それに基づき、と畜場における衛生管理の徹底を図っているところです。
 とりわけ、微生物制御対策に関してはHACCP(こちらを参照)を導入し、農場から食卓までのすべての過程において徹底した衛生管理が求められています。
更に、新たに指定された食肉中の残留農薬や抗菌性物質の検査への対応など食肉衛生検査所の責務はますます重要になってきています。

 このような状況下で、消費者に安全な肉を供給するためには、GLPの導入により検査精度の信頼性を確保し、食肉衛生検査所の施設設備の充実、検査体制の強化拡充、検査員の資質の向上などを図っていくことが重要であると言えます。