食肉の基礎知識/



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 小売店頭の新しい販売動向 -1-  

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 最近、日本の食生活に外国の食文化が、少なからず影響を及ぼすようになりました。海外旅行や海外出張などで外国の食事に接する機会が増えたためだと思われます。
 日本の食生活と食肉のとのかかわり合いは、欧米諸国と比較しますと極めて短い歴史しかありません。使われる食肉も、それほどバラエティーがあるとは言えません。世界各国に見られるその国特有の肉料理のバラエティーは、極めて豊富です。その出会いが旅行の楽しさを倍加させてくれます。海外生活で習得した個性的な肉料理は、そのご家族の食生活にメリハリをつけていることでしょう。
 古来、「牛鍋」「すき焼き」などに代表される「煮る」という調理法が、日本での食肉料理の基本とされてきました。諸外国との交流の中で「焼く」「炒める」「蒸す」「揚げる」「煮込む」などの調理法が入り、更に食肉消費の多様化と楽しさを作り出してきました。
 欧米において食肉処理の基本は、もともと骨を肉に付けたままにして、料理素材を作り出すのが一般的でした。従って、骨付き肉の状態での販売形態がかなり多くを見受けられますし、肉料理のおいしさを演出する大事な商品作りでした。その幾つかを紹介しましょう。


骨付きばら肉
 韓国の代表的な焼き肉料理に「カルビ焼き」があります。もちろん、このカルビ焼きは「かたばら」「ともばら」のいわゆる「ばら肉」を使用していて、脂肪交雑のある部位ですから濃厚な風味を楽しめるものとして高い評価があります。また、これを調製する場合、ばら肉を肋骨と共に切断します。両側からのばら肉の部分を薄くはがすようにして、骨付きのまま「たれ漬け」にして焼きます。また、この状態の素材をカルビスープのもととして煮込みますと、骨の断面から出るエキス分が特別に良い味を作り出します。よく煮込みますと、筋肉と骨の表面に付いている骨膜が共にはがれ、良い味わいが楽しめます。
 牛肉は、国産の高級和牛を始めとして輸入牛肉に至るまで、品質の差による価格差がかなりあります。しかし、たとえ価格の廉価な食肉であっても、「たれ」をからめることによって、品質及び価格の格差を感じさせないような料理に変身するところが魅力的です。
 豚肉では、骨付きばら肉の料理を「スペアリブ」と言います。味付けしたものをオーブンで焼き上げたもので、特に若い世代では人気のある食肉料理です。
 この味付け方法は多彩で、好みにより色々な調味料、香辛料で味付けすることが出来、洋風、中華風、和風と広がりのある料理を楽しむことが出来ます。

牛ロースの骨付き肉
 牛ロースの骨付き肉には、大きく分けて2つのタイプがあります。1つは、サーロインの骨付きカットで「エルボーンステーキ」。L字型に骨をカットしてあります。次に、サーロインとヒレが同時にカットされている「ティーボーンステーキ」。T字型に骨がカットされています。軟らかいヒレと味わい深いサーロインを同時に楽しむことが出来る、極めて豪華なステーキです。






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