食肉の基礎知識/



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 食肉の品質保持と扱い方  


 空気中に浮遊する雑菌やかび類が食肉の表面に付着して増殖することで、食肉は変質を起こします。この変質を起こす条件に温度とのかかわりがあります。食肉は、低温での管理に留意しなければなりません。枝肉(骨付きのもの)、部分肉(大きい塊)、精肉(小売店頭のもの)のいずれも、理想的な管理温度は0〜2度です。また、低温下で保存しても、酸化によるもう1つの変質が起こります。食肉の脂肪やたんぱく質が酸化すると、肉の風味を損なう原因となります。また、食肉の表面を乾燥させますと、揮発性の芳香分を失いうまみも一段と低下します。
 このすべての問題をガードする基本は、食肉から空気を遮断することです。食肉を保存するのに、真空包装を含むラッピングがいかに重要かこれで分かると思います。
 衛生的にと畜し、すべての衛生検査に合格した食肉は、無菌状態です。しかし、その後の処理過程で、空気中の雑菌やかび類による汚染が当然起こるわけです。更に、最終商品となって小売店頭に並ぶものは、空気に触れる面積の多い形態順にその保存性の差が出ます。すなわち、ブロック肉(塊肉)、厚切り肉(切り身など)、角切り肉(シチュー用など)、スライス肉(すき焼き、しゃぶしゃぶ用など)、ひき肉の順に保存性が悪くなります。
 食肉を処理したり、加工する際の作業室の内部の温度は、15度位に維持できれば理想的です。一番保存性の悪いとされるひき肉は、最も空気中に触れる面が多いので、変質が早いことになります。ひき肉は、鮮度の落ちた部分を用いるから変質が早いと過去に言われたことがありましたが、これはひき肉の消費割合が低い頃の話で、大量消費の時代に入った現在では、「かた」「もも」などブロックをそのままひき肉の材料とし、鮮度にも十分留意をしていますので、かなり日持ちも良くなっています。

 欧米諸国では、食肉の評価を決めるポイントとして、次の3点を挙げています。
テンダーネス(Tenderness)=軟らかさ
ジューシー(Juicy)=みずみずしさ
フレーバー(Flavor)=良い味と香り

 保存条件の中で、鮮度維持をおろそかにするとAとBが劣化し、おいしさや風味の良さが損なわれます。
 食肉の保存は、次の事項に注意をしましょう。
低温(摂氏0〜2度)で保存すること。理想的にはマイナス2〜0度のパーシャルフリージングです。
空気を遮断するようにラッピングをすること。
家庭用冷蔵庫では、牛肉は生肉で3〜7日位、解凍肉では2〜3日位、豚の生肉では2〜4日位が賞味期限の範囲。
冷凍肉は、マイナス20度以下で保管。包装状態が良く、マイナス35度以下になる業務用大型冷凍保管庫なら約1年位は、鮮度、品質ともに維持できます。