食肉の基礎知識/



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 家畜の生産から食肉が出来るまで  


新しい畜産技術
(バイオテクノロジー)の実用化

 近年のバイオテクノロジーの進展は著しく、家畜生産技術の中にも応用されてきています。現在の代表的なものは受精卵移植です。
 一般的に、牛は1年に1頭しか子牛を生産しませんが、受精卵移植技術を利用することによりその壁をうち破ることが可能となってきたのです。すなわち、自然の状態では一発情期に通常1個の卵子しか排卵されないわけですが、ホルモンで過剰排卵処置を講じることにより、現在では1回当たり5個、年間約20個の正常受精卵が採取出来るまでになり、この受精卵をほかの雌牛に移植して年間10頭程度の産子を取ることができるようになったのです。この受精卵移植を応用して、能力の高い雌牛の産子を低能力雌牛の腹を借りて生産したり、肉専用種の産子を乳用雌牛の腹を借りて生産したりすることが可能となりました。従来利用されなかったと場卵巣から未受精卵を採取し体外受精をして培養することで体外受精卵を生産することが可能となり、肥育素牛生産に利用されるようになりました。
 これらの技術については、国の家畜改良センター及び畜産試験場などを中心として、その実用化・普及が進められていて、本技術による産子数も平成8年度には約1万5千頭と増加傾向で推移しています。また、受精卵移植技術の応用技術として、性判別技術、卵分割技術、核移植技術などの畜産新技術の開発・実用化が進められています。今後、既存技術の改善と併せて、これら畜産新技術の実用化・普及により、わが国畜産の一層の生産性向上に期待したいと思います(表4)。

表4 受精卵移植実施状況(単位:個)
年度
体内受精卵産子数
体外受精卵産子数
50
1
55
73
60
887
61
1,382
62
2,291
63
3,366
160
4,884
475
2
5,912
621
3
7,163
1,147
4
8,818
1,020
5
10,230
1,317
6
11,010
1,107
7
11,322
1,216
8
13,248
1,583