食肉の基礎知識/



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 家畜の生産から食肉が出来るまで  


肉用鶏の一生
私たちの食用としている鶏肉の約70%が国内産のものであり、残りの約30%が業務用としてアメリカ、中国、タイなどから輸入されています。

●肉用鶏のライフサイクル
日本で飼育されている肉用鶏の品種は、白色コーニッシュ種、白色ロック種がほとんどですが、純粋種の形で飼われているのは改良増殖の基礎用のごく一部に限られていて、ほとんどが交雑種です。
鶏の交雑種の利用は、豚の場合以上に進んでいて、肉用系の若鶏(ブロイラー)は100%が交雑種であり、その組み合わせが行われる系統は銘柄によって異なりますが、すべて白色コーニッシュ種と白色ロック種の交雑によるものです。
鶏の卵は、21日間のふ卵期間を経て雛がかえります。このうち種鶏の雛は約180日間の育成期間を経て、約10ヶ月間産卵します(うち、受精卵である種卵の採取は約280日間)。また、食肉用に仕向けられるコマーシャル鶏(ブロイラー)の雛のうち、小型で仕上げられるものは約7週間飼養され、体重が2.3kgで出荷されます。大型で仕上げられるものは約8週間飼われ、体重が約2.7kgで出荷されます。
このほか、フライドチキン用として40日間前後で出荷されるものもあります。
これらのものは出荷されるまでの間、主に、配合飼料が与えられて、おおまかに言って2.2〜2.3kgの餌を与えることにより、体重が1kg増える計算になります。このほか、肉用鶏の種卵鶏や卵用鶏で、繁殖や産卵の役目を終えたものは、そのまま出荷されます(図4)。