食肉の基礎知識/



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 安全な食肉管理知識・Q&A  

Q1
食肉を安心して食べるには、どうすればよいのでしょうか
A
腸管出血性大腸菌O157は非常に熱に弱く、75度で1分以上加熱すれば安全です。肉を加熱調理する方法には、「焼く」「ゆでる」「煮込む」「揚げる」「蒸す」の方法があります。O157は肉に付着しても中まで入り込むことはありませんので、表面の十分な加熱が重要です。「焼く」「揚げる」料理は表面が高温に晒されるし、「ゆでる」「蒸す」「煮込む」料理は、じっくり熱を加えるために、いずれの方法も肉の表面や中まで十分に火が通り、安心して食べることが出来ます。
Q2
結局、衛生にはどのように気を付ければいいのですか
A
食中毒の防止には3つの原則があります。
1。持ち込まない
汚染されたものを持ち込まないようにとは言っても、汚染されているかどうか目で見ても分かりませんから、新鮮なものを信用のある店で買いましょう。
2。増やさない
冷蔵庫を上手に使って、細菌を増やさないようにしてください。細菌は10度を超えると急速に増殖し、50度近くまで増え続けます。台所や調理機器をいつも清潔にしておいてください。
3。細菌を殺す
消毒で細菌を殺します。調理では75度で1分ほどで大丈夫です。
Q3
75度1分以上とは、肉で言えばどのような状態ですか
A
肉に含まれるミオグロビンと言われている色の付いたたんぱく質の1種は、75度付近の温度帯で変化し、肉色が赤紫色から茶褐色に変わります。また筋肉内のグロブリンやアルブミンなどのたんぱく質は熱により凝固します。肉の外観が硬くなります。いわゆる肉に火が通った状態がこれです。この程度までの加熱調理でO157は死滅します。
Q4
豚、鶏の腸内にはO157はいないのですか
A
O157の調査で、わが国では牛以外の家畜から発見された例はありませんが、海外の調査では、牛のほかにも羊からの発見報告があります。しかし、豚、鶏からの発見報告はないようです。
Q5
牛肉のステーキやローストビーフで中が半生なのは大丈夫でしょうか
A
ステーキやローストビーフなどの牛肉は中が半生の方がおいしいのですが、牛肉のブロックや切り身などの中にはO157などの食中毒菌は入っていません。従って、表面を十分に加熱すれば安心して食べることが出来ます。
Q6
ハンバーグ、肉だんごなどミンチの加熱調理の際の留意点はどんなものですか
A
食肉加工メーカーの製造、販売されているハンバーグ、肉だんごなど加熱調理済みの食肉製品は、食品衛生法に基づき、中心部まで63度で30分間加熱される方法、または同等の効果を挙げる方法により殺菌されますので、細菌は死滅しています。また家庭で作るハンバーグ、肉だんごの加熱方法は、肉から赤みが消える状態まで加熱すれば細菌は死滅します。この点に注意して調理することが大切です。厚みを薄くして火を通りやすくしたり、電子レンジなどで十分加熱し、内部まで火が通るようにしてください。また、加熱後はすぐに食べていただき、どうしても保存の必要がある場合には、冷蔵庫での保管が大切です。
Q7
ハム・ソーセージは安全でしょうか
A
食品衛生法に基づき、ハム・ソーセージの製造時には、63度で30分以上の加熱が義務付けられています。この過程で食中毒の原因である細菌は死滅します。また、製造後の流通過程においても低温流通が行われており、品質保持期限も十分に余裕を持って設定されています。これを「目安」に開封後は出来るだけ早く消費される方が安心です。
Q8
レバーなどの内臓は安心ですか
A
大腸に存在するO157を含む大腸菌は、本来レバーには存在しません。たとえ処理過程においてレバーにO157が付着することがあっても、肉と同様表面をよく焼けば安心して食べられます。また、そのほかの腸などのモツについても出荷段階でボイルされるものは、その時点で殺菌され、調理の段階で十分火を通せば心配いりません。いずれにしても、内臓類は傷みやすいものなので、鮮度の良いものを選ぶことが大切です。
Q9
生肉に触れたまな板・包丁はどうすればいいのでしょうか
A
肉に触れたまな板・包丁は熱湯(83度以上)か殺菌効果のある洗剤などで消毒してください。使用しないときは、乾燥した場所で保管してください。また、肉の調理後には、手をよく洗ってください。
Q10
肉はどうやって保存したらいいのでしょうか
A
1日から3日程度保存するなら冷蔵したほうがおいしく食べられます。それ以上長く保存する場合は、やはり冷凍庫で保存してください。冷凍庫で冷凍するときは、切り身を何枚も重ねたり大きな塊のミンチだと中まで凍るのに2時間もかかってしまいます。出来るだけ1回に使う分量を小さなパックにして、冷凍用のビニール袋などで肉が乾かないようにします。早く凍るように1つ1つのパックが重ならないよう離しておいてください。
Q11
冷蔵とチルドルーム(氷温室)ではお肉の日持ちは違うのですか
A
肉の凍る温度はマイナス1.7度です。冷蔵にしておく場合には、出来るだけこれに近い温度にしておくのが最も安全です。細菌の冷蔵庫には「チルドルーム」とか「氷温室」が冷蔵室とは別に付いていますから、ここに入れてください。普通の冷蔵庫で3日持つものならチルドルームでは更に2日は大丈夫でしょう。でもなるべく早く食べることが安全です。
Q12
傷んだお肉の見分け方は
A
肉が傷んでいくと、色が徐々に悪くなっていきます。牛肉のブロックは「熟成」と言って、多少色が変わっても大丈夫でおいしく食べられます。豚肉・鶏肉は、何よりも鮮度が大切です。牛肉に比べ、保存期間が短く傷みやすいので新鮮な肉の色を覚えておくことが大切です。ハム・ソーセージには「賞味期限」が表示されていますので、これを基準にしてください。