食肉の基礎知識/



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 食肉の流通 −肉畜から食肉へ−  


部分肉の流通

 枝肉は、そのままの形で小売店に買い取られるなどして消費地に出荷される場合もありますが、その多くが流通の途中で部分肉に加工されてから(一般的に段ボール箱などに詰められているのでボックスミートと呼ばれています)、消費地に出荷されます。
 枝肉から部分肉へ加工は、食肉センターにおいて肉畜のと畜解体、枝肉の分割・整形までを一貫して行う場合と食肉加工施設においてほかのと畜場から搬入した枝肉を分割・整形する場合の二つに大別されます。もちろん、コスト面で有利なのは前者であることは言うまでもありません。
 牛肉の場合は、加工された部分肉は一部位ごとに真空包装されて段ボール箱などに詰められます。一箱の重さは20〜25kg位が一般的です。
 豚肉の場合は、ポリエチレンのフィルムで一部位ずつくるみ、段ボール箱かプラスチック製のコンテナに詰めて出荷されるのが一般的です。また、年末年始のように一週間以上も保管する必要がある時には、真空包装されることもあります。
 牛肉の場合では、真空包装してから0度で冷蔵保管すると2ヶ月程度保存できます。しかし、保管コストがかかるため一般には、と畜後7〜10日目位にほぼ熟成した頃に小売店に届けられています。
 部分肉の輸送は、冷蔵トラックにより行われます。消費地では、配送センターに一時冷蔵保管されてから小売店などに配送されたり、配送センターで更に小分けやスライスされてから配送される場合もあえいます。
 部分肉輸送の利点は、流通コストの低減にあります。産地から消費地への輸送コストは、生体や枝肉輸送に比べて大幅に低減されます。ある調査によると、牛肉の場合10トントラック1台に積める量は、生体で13頭、枝肉で18頭分ですが、部分肉にすると35頭分にもなります。輸送コストを比較すれば部分肉は生体の36%、枝肉の51%になると報告されています。
 また、部分肉は近代的施設において衛生的で効率的な処理による合理化を図ることが可能なため、衛生面や加工コストの面でも有利となっています。
 細菌の部分肉流通の傾向としては、次のようなことが挙げられます。
部位別の取引の増加
小割した部分肉やそのまま店頭に陳列できるコンシューマーパックによる供給などスペックの多様化
配送単位の少量化

 大消費地での人件費の上昇、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど専門小売店以外での食肉販売比率の増加などにより、部分肉流通は今後も増えるものと予想されています。

部分肉の歩留り

 枝肉から部分肉に処理される際には、骨と余分な脂肪などが除去されます。その際の部分肉の歩留率(部分肉の重量/枝肉の重量)は、一般的に牛肉が71〜81%、豚肉が69〜77%程度です(表4、表5)。
 牛肉の場合は、同じ去勢牛であれば和牛のほうが乳牛よりも骨が細いため、歩留率が高くなります。豚肉の場合には、枝肉格付等級の高いものほど皮下脂肪が薄いものが多いため、歩留率が高くなります。
表4 牛部分肉歩留表
 
A
B
C
品種
和牛
乳用種
乳用種
性別
去勢
めす
去勢
等級
A-3
B-2
B-2
枝肉重量(kg):A
204.5
191.0
213.7
部分肉重量(kg):B
159.8
140.0
152.2
副生物重量(kg)
42.9
50.1
60.4
減耗量(kg)
1.8
0.9
1.1
部分肉歩留率(B/A)
78%
73%
71%
資料:(社)全国食肉学校
表5 豚部分肉歩留表
 
A
B
性別
めす
去勢
去勢
去勢
等級
極上
背脂肪の厚さ(cm)
1.9
2.2
2.5
3.0
枝肉重量(kg):A
71.5
72.4
73.5
71.5
部分肉重量(kg):B
55.3
53.7
52.5
49.2
副生物重量(kg)
16.0
18.5
20.8
22.1
減耗量(kg)
0.2
0.2
0.2
0.2
部分肉歩留率(B/A)
77%
74%
71%
69%
資料:(社)全国食肉学校

部分肉の取引

 部分肉は、そのすべてが部位別の売れ行き状況などを考慮しながら当事者間で価格交渉を行う相対取引により取り引きされているため、枝肉のように市場価格を指標とすることができません。
 このため、昭和54年に部分肉の取引価格など部分肉流通に関する各種情報の収集・公表などを事業内容とする財団法人日本食肉流通センターが設立されました。
 現在、同センターは、部分肉価格の適正化と円滑な流通を図るため、首都圏、近畿圏及び中京圏における取引価格などの情報を新聞や専門誌などを通じて公表しています。