食肉の基礎知識/



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 食肉の流通 −肉畜から食肉へ−  


食肉流通の特徴

 食肉の流通が青果物や魚介類など他の生鮮食料品と最も異なる点は、生産者から出荷される時と小売店で販売される時の商品形態が全く違うというところです。青果物や魚介類などは、出荷から販売までの流通段階において商品形態はあまり変わりません。それに対し食肉の場合には、生産者から出荷される時は生きた牛や豚などであったものが、家庭に持ち込まれる段階ではスライスされたりステーキ用にカットされた精肉という全く違った形態となります。
 順序を追って説明しますと、生産者から出荷された家畜はと畜場という食肉処理のための専用施設においてと畜されます。続いて頭、四肢、内臓、皮などが除かれ、さらに背骨に沿って縦に2分割されて半丸枝肉となります。
 次に、半丸枝肉から骨を除去しつつヒレやロースなどと呼ばれる部位別に分割し、余分な脂肪を削って部分肉とします。わが国では、一般的に牛肉では13部位(ネック付きかたロース、かた、かたばら、まえずね、ヒレ、リブロース、サーロイン、ともばら、うちもも、しんたま、らんいち、そともも、ともずね)。豚肉では5部位(かた、ロース、ヒレ、ばら、もも)に分割されます。
 部分肉はその用途に応じてさらに、カットやスライスされて精肉となります。このように食肉産業は、1頭の家畜を最低でも3段階(枝肉→部分肉→精肉)に分けて、多数の小売り用の商品を作っていく、一種の分解産業と言えるでしょう。
 後ほど詳しく述べますが、国産食肉の流通経路は、図1及び図2に示すように、次の3つに大別されます。
食肉卸売市場において枝肉で取引され、卸売業者、専門小売店などへ供給されるルート
食肉センターにおいて部分肉に処理され、農協連などを通じ(または直接)量販店や生協などへ供給されるルート
産地などのその他のと畜場などから加工メーカーや卸売業者の手を経てユーザーへ供給されるルート