食肉の基礎知識/



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 食肉の流通 −肉畜から食肉へ−  


肉用牛の生産流通

 わが国では平成9年度において、肉牛と乳牛(後ほど述べますが乳牛も食肉用に処理されます)を合わせて約471万頭飼育され、年間約133万頭の牛が食肉向けにと畜処理されています。これは、部分肉に換算しますと約37万トンの牛肉が生産されていることになります(表1)。
表1 牛の飼養頭数、と畜頭数、牛肉生産量  単位:千頭、千トン
年度
飼育頭数
(注1)
と畜頭数
牛肉生産量
(注4)
乳用牛
(注2)
肉用牛
(注3)
うち和牛
うち和牛
平成元
2,058
2,702
4,760
1,371
455
377
125
2
2,068
2,805
4,873
1,402
491
388
135
3
2,082
2,898
4,980
1,464
514
407
143
4
2,068
2,956
5,024
1,501
540
417
151
5
2,018
2,971
4,989
1,515
580
416
160
6
1,951
2,965
4,916
1,539
632
424
174
7
1,927
2,901
4,828
1,478
626
413
173
8
1,899
2,851
4,750
1,372
597
383
167
9
1,860
2,848
4,708
1,330
602
370
169
資料:農林水産省統計情報部「畜産統計」、「家畜の飼養動向」、「食肉流通統計」
注1:各年度2月1日(平成9年度ならば平成10年2月1日)現在の頭数
注2:乳の生産を目的として飼養しているめす牛及び将来乳の生産を行う目的で飼養しているめす子牛
注3:品種に関係なく専ら肉用を目的として飼養している牛
注4:部分肉ベース


 わが国で肉用に仕向けられる牛は、和牛、乳牛及びF1(乳牛を母、和牛を父とした交雑種)に大別されます。そのほかにごくわずかですがヘレフォードなどの外国種の肉用牛も飼育されています。
 和牛を例にすればさらに、去勢牛、未経産牛(子牛を産んでいない牛)、経産牛(繁殖用として飼育されていたが高齢などの理由により肉用に仕向けられた牛)、去勢しないで肥育した若雄牛、子牛などに分類されます。肉用に仕向けられる和牛は、そのほとんどが去勢牛、未経産牛及び経産牛によって占められます。
 乳牛の場合も和牛と同様に肉用に仕向けられるのは去勢牛、未経産牛及び経産牛です。
 なお、F1については、雌牛のうちごく少数が繁殖用に仕向けられるのを除けば、ほぼ全頭が直接肉用に仕向けられているため、去勢牛と未経産牛がほとんどを占めています。
 肉質は、個体によって異なります。一般的に肉質の良い順に並べますと、未経産牛、去勢牛、経産牛、雄牛の順序となります。
 経産牛でも、1回しか子牛を産んでいないものを肥育したものは良い肉質となります。乳牛の場合も和牛と同様な傾向にあります。
 また、近年、他産地との差別化により有利販売や地域ぐるみの取り組みによる生産意欲の向上を図るために、産地名やイメージなどを付したいわゆる銘柄牛の生産が増加しています。
 少し古いデーターですが、社団法人中央畜産会が調査したところによれば、平成6年3月末の時点で、全国で149の銘柄牛(銘柄牛肉)が数えられています。
 このような銘柄牛が消費者に受け入れられて定着していくためには、生産技術の地域的な統一などによって一定の品質の牛肉生産を確保することが大切です。また、その販売に際しては、産地や品種をはっきり表示するとともに、ほかの牛肉と区分して陳列するなど適正な表示販売を行っていくことが重要と言えます。