食肉の基礎知識/



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 UR後の牛肉・豚肉の輸入制度並びに需給を巡る情勢  


1.牛肉

輸入制度
 牛肉については、昭和63年の日米・日豪合意に基づき、毎年度輸入枠を6万トンずつ拡大するとともに、平成3年度からは輸入枠を撤廃して輸入を自由化しました。また関税率を3年度の70%から5年度まで50%に段階的に引き下げることとなりました。
 このような中、平成5年12月には、昭和61年にウルグアイのプンタ・デル・エステで開始されたウルグアイ・ラウンドが、7年余に及ぶ困難な交渉の結果合意に達しました。牛肉については、関税率を平成5年度において適用されていた50%から12年度までに38.5%まで段階的に引き下げることになりました。また、生鮮及び冷蔵牛肉(HS0201)、冷凍牛肉(HS0202)おのおのについて、前年度の輸入数量の117%に相当する四半期毎に定められる発動基準数量を年度当初からの累計輸入量が上回った場合、関税率を50%に引き上げる関税の緊急措置を導入しました(関税暫定措置法第七条の五)。



消費量
 牛肉の消費量(推定出回り)は、輸入枠の拡大、輸入自由化及びにその後の関税の段階的な引き下げによる価格の低下などにより一貫して増加してきました。このうち、家計消費については、昭和63年度には2,923g/人でしたが、平成7年度には3,612g/人と1.2倍に、加工仕向量についても昭和63年度の25,175トンから平成7年度には27,397トンと
1.1倍にそれぞれなりました。
 しかしながら、順調に増加してきた牛肉消費は、平成8年3月に英国政府の諮問機関がクロイツフェルト・ヤコブ病BSEの関連性に関する発表を行ったことや、5月の岡山県邑久町、続いて7月には大阪府堺市において腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒が発生し、その原因があたかも牛肉であるかのような報道がなされたことから、牛肉の安全性に対するイメージは急速に低下しました。そのため、平成8年度の消費量は対前年比▲7.3%とかなり減少しました。特に、家計消費は対前年比▲21.3%とその影響が顕著でありました。このため、平成8年12月にはと畜場法施行規則を改正し、食肉処理での衛生管理の徹底を図るとともに、消費者に対するイメージ回復のための適切な情報の提供などにつとめました。これらの効果もあり、平成9年度4月以降、牛肉消費は回復傾向にあります。



国内生産
 肉用牛の飼養戸数は、減少傾向で推移していて、平成10年(2月1日現在)は約7%減の13万3,400戸となりました。
 飼養頭数については、輸入自由化以降も増加傾向で推移しましたが、平成7年以降減少傾向に転じ、平成10年については対前年比▲0.1%の285万頭となっています。このような飼養動向を反映し、乳用種については平成5年度以降減少に転じましたが、肉専用種が微増加傾向で推移したこともあり、平成6年度までは総生産量は微増傾向で推移しました。しかし、肉専用種が減少に転じた平成7年度以降は、総生産量も減少に転じました。平成9年度につきましては、肉専用種は対前年比+2.5%の17万6,000トンと生産が回復したものの、乳用種については対前年比▲7.8%の19万4,000トンとなり、総生産量は対前年比▲3.2%の37万トンとなりました。
 なお、肉専用種に比べ乳用種の減少が顕著であったこともあり、肉専用種のシェアは次第に高くなり、平成10年度は47%となりました。



輸入

 牛肉の輸入量は、輸入枠の拡大や輸入自由化に伴い平成4年度以降一貫して増加してきました。特に、近年輸入量に占める生鮮・冷蔵のシェアは拡大していて、昭和63年度には28%でしたが、平成6年度には58%まで拡大しました。しかし、平成8年度については、BSEなどの影響により消費が減退したことから、輸入量は減少しました。特に、消費の減退が家計消費で顕著であったこともあり、生鮮・冷蔵の減少は著しいものとなりました。
 また、輸入については、米国と豪州でシェアを二分してきましたが、穀物肥育の有意性や必要部位のみ手当出来ることなどから近年米国のシェアが拡大しています。
 なお、円高の進行あるいは原産地価格の低下により、保存期間の長い冷凍肉の年度当初から6月までの累計輸入数量が発動基準数量を上回ったため、平成7年度、平成8年度ともに8月1日から翌年3月末まで関税の緊急措置が発動されました。