なぜ、堆肥の利活用なのか・・・ 本文へジャンプ
 

1.堆肥の3つの”力”


”力”その1  〜土を柔らかくし、根の発達を促進する!〜
 堆肥の施用によりすき間をもつ団粒構造をつくります。
このことで通気性が改善され、根張りが十分となり作物の育成が良くなります。
 また、異常気象に対する抵抗力も強くなる傾向があります。
”力”その2 〜バランスのとれた栄養補給を行う〜
 チッソ・リン・カリの3要素はもちろんのこと、ホウ素、モリブデンなど作物の育成に不可欠な微量要素が含まれています。
また堆肥中に含まれる腐植は肥待ちを向上させます。
 さらに土に固定されているミネラルを作物が吸収しやすいような形にする働きもあります。
”力”その3 〜有用微生物が増えて、病気に強く、肥料効果も高くなる〜
 微生物の宝庫である堆肥を施用することにより土壌の微生物の種類・量が豊かになり、有用菌が増加します。
 これらの土壌微生物の増加により病害菌を抑えるという効果が期待できます。
また、異常気象に対する抵抗性を増加させるといわれています。
      
      

2.良質堆肥の5つのポイント

見て・触れて
まずは堆肥を手にとって、次のことを確認してみてください。
1.悪臭がしない!
手にとって、匂いを嗅いだときの家畜糞尿臭やアンモニア臭などの悪臭はまだ分解が進んでいない未熟堆肥の目安となります。
2.べたつかない!
堆肥の水分は60%以下が理想的です。手で軽く握って団子状になるものは水分がやや多すぎです。多すぎる水分は運搬や散布作業上、支障になるとともに堆肥の熟度にも大きく影響します。
3.副資材が分解している!
堆肥を少量水洗いしてみると、オガクズやモミガラ、ワラなどの副資材の分解状況を確認することができます。
水洗いして副資材の形がそのまま残っているような場合は分解が進んでいない未熟堆肥の目安となります。
4.最低でも3ヶ月以上堆積発酵が行われている!
家畜糞尿は適正な切り返しなどによって、分解し易い成分から順に分解が進み腐熟していきます。作物に障害を与えないためには最低でも3ヶ月以上の堆積期間を確認することがポイントです。
5.堆肥舎等で70℃以上の発酵熱があった!
雑草種子や寄生虫卵、病原菌は70℃以上の温度で2日間以上経過すればほとんど死滅するといわれています。
堆肥ができるまでに70℃以上の発酵熱がどのくらいの期間継続したかを確認することもポイントの1つです。       

 
      

3.堆肥施用による土づくり


【目的と効果】
農作物は、「安心」「安全」で良質であることが求められている。
それを支えるのが「土づくり」であり、そのことにより病害虫に強い健全な作物が育つ。又、農薬や化学肥料の使用を極力減らすことに繋がり、環境にやさしい農作物の生産となる。
一般に「土づくり」を考える視点として土壌の@物理性A化科学性B生物性があり指標として次のようなものがあげられる。
土壌の物理性 土壌の硬さ 作土の厚さ 緻密度 保水性 透水性 通気性
土壌の化学性 陽イオンの交換容量 養分の保持力 pH 酸化還元
土壌の生物性 土壌作物の豊かさや有機物分解性
これらの指標は単独で改善できるものはなく相互に影響を及ぼしあうため、総合的な視点で土づくりを行う必要がある。これらのすべての視点からみて、土づくりに有効な方法が有機物の施用である。

(堆肥施用の効果)
@未分解の粗大有機物が土壌にすき間をつくり「通気性」が良くなる。
A未分解の粗大有機物により土壌生物が増え、「土壌生物のバランス」が改善される
B有機物の微生物分解で生成される腐食により「団粒構造」が促進強化される。
C土が柔らかくなり、「通水性や保水性」が改善される。
D腐食により陽イオン交換容量が増加し、「保肥力」が高まる。
E有機物が徐々に分解され微量要素を含む「土壌養分供給力」が高まる。
F腐食がアルミニウムと結合してリン酸固定力が低下するので、「リン酸の肥効」が高まる。

(参考)
今後の農業は、化学肥料のみに頼った農業から有機物資材との併用による環境にやさしい農業に転換していく必要がある。
即効性のある化学肥料により生育をコントロールしながら、有機物の利用により健康(強健)な作物に育て、安定的な作物生産を進める必要がある。


      
      

4.土壌診断の重要性と適切な施肥

農林水産省などが実施した土壌調査等によれば、近年有機態リン酸、交換性カリが過剰に含まれている圃場が増加しており、特に、施設園芸において多く見られるようになってきた。
この要因として、土壌診断を行っていなかったり、土壌診断を行っても診断結果に基づく施肥が行われていないことなどが挙げられる。堆肥は肥料成分含量が高まってきている傾向にあるため、堆肥に含まれる肥料成分が考慮されずに施肥が行われてきた結果と思われる。
このことから、定期的な土壌診断は重要であり、それに基づく適切な施肥が必要とされる。
      
耕畜連携の推進にあたって
      

1.耕畜連携とは!!

畜産農家 (双方のメリット) 耕種農家
◎堆肥の供給
・「家畜排せつ物処理法」への適正対応
・環境改善

◎粗飼料の安定給与
・安全・安心な粗飼料の確保
(消費者ニーズ)
・安定した粗飼料の確保
堆肥


粗飼料
◎地力向上(土づくり)
・有機農産物の生産
(安全・安心への消費者ニーズ)

◎粗飼料の生産・供給
(稲わら、WCS、飼料作物)
・米にかわる転作作物
・堆肥との交換
      

2.耕畜連携の重要性と推進体制

畜産の堆肥施設整備がほとんど完了された現在、生産された堆肥の利用が進んでいないという問題がある。その利用を進めていくためには、
@耕種農家のニーズに合った堆肥の生産
A耕種側への堆肥のストックヤードの整備
B堆肥の散布体制の整備
以上のような問題を解決していく必要がある。
一方、家畜飼料については、自給飼料を安定的に確保し、経営基盤を強固にしていくことが必要とされる。
その粗飼料の身近な入手源として水稲農家の稲ワラがある。また、近年注目されているものに稲発酵粗飼料(WCS)や飼料用稲がある。
こうした課題を解決していくためには、畜産側のみでは解決が困難であり、耕畜連携の体制を整備して対応していくことが重要である。  
      

5.推奨堆肥センター情報

参照:http://kouchiku.aso.ne.jp「くまもと堆肥ネット」より引用